総務省審議会:12年開始の携帯向け有料放送、ドコモ陣営に免許を

総務相の諮問機関である電波監理 審議会は8日の月例会合で、2012年春に開始予定の携帯端末向け次 世代放送の免許を、国内携帯首位NTTドコモを軸とする企業連合に 与えるべきとの答申をまとめた。同審議会の原島博会長(東大名誉教 授)が同日夜に記者会見して発表した。枠は1つだけのため、対抗馬 の国内携帯2位KDDI陣営は参入断念を強いられる。

同放送は来年夏の地上波テレビのデジタル化で空く周波数を活 用して提供。06年開始の無料のワンセグ放送とは違い、映画や電子 書籍などの有料配信も行う。電監審が8月に諮問を受け、両陣営のど ちらの参入が妥当か審議していた。

事業主体となる企業「マルチメディア放送」にはドコモが51% を出資し、住友商事や民放大手各社も資本参加。ソフトバンクの携帯 でも放送を受信可能にする計画だ。16年度までに計438億円のイン フラ投資を行うとともに計5000万台程度の対応端末を出荷し、14年 度の純損益黒字化を目指す。

一方の「メディアフロージャパン企画」はKDDIと米クアルコ ム の共同出資会社。参入が実現すればKDDIが770億円、クアル コムが2億2000万ドル(184億円)を拠出する計画だった。16年度 までの総工事費は961億円を予定していた。

総務省や電監審は、両陣営が6月に免許を申請後にヒアリングを 実施。ドコモ側は、放送開始と同じ12年春に開業予定の巨大電波塔 東京スカイツリーからの送信で首都圏をカバーして工事費をKDD I側の半分程度にできるため、月額300円の基本料でサービス可能と 主張。一方でKDDI側は、料金はドコモ側より高いものの中継設備 が多くエリアカバーがきめ細かい点などをアピールしていた。

原島会長は8日夜の会見で選定の理由として「料金水準に大きな 差がある」ことや財務基盤などの点でドコモ側が優位と判断した、と 述べた。