米企業は自社株買いに向け起債を-ファンドマネジャーのティルソン氏

米企業は史上最低水準にある金利 を活用して社債を発行し、調達した資金で自社株買いを実施して1株 利益を押し上げるべきだと、ヘッジファンドマネジャーのホイットニ ー・ティルソン氏は指摘している。

ティルソン氏は、信用格付けが高く手元現金が十分な企業は、自 社株買いの原資調達に向けて起債や減配を実施するのに適していると いう。ブルームバーグの集計データによると、同氏の運用ファンド 「ティルソン・フォーカス・ファンド」は過去5年間、同様のファン ドの96%をアウトパフォームした。

先月、S&P500種採用企業(金融機関を除く)は、株価に対す るフリーキャッシュフロー(純現金収支)の割合が6.8%と、社債利 回りとの差で1960年以来の高水準を記録。ジョンソン・エンド・ジ ョンソン(J&J)やIBMが過去最低の金利で社債を発行した。

T2パートナーズ(ニューヨーク)の共同創業者であるティルソ ン氏は7日のインタビューで「世界の最優良企業の一部は現在、信じ られないような機会に恵まれている」と指摘した。

米債利回りの指標となるバンク・オブ・アメリカ(BOA)メリ ルリンチの指数が3.74%まで低下した先月、社債利回りも過去最低水 準に達した。ブルームバーグのデータによると、金融機関を除いた企 業は、自社株買いに充てられる手元現金が総資産に占める割合が

10.1%と、少なくとも2000年以来の高水準にある。

ティルソン氏は、株価が少なくとも20%過小評価されている企 業は自社株買いをすべきだと指摘。その他の企業についても、配当を 通じた株主への現金還元を促した。

ブルームバーグ・データによると、S&P500種の株価収益率 (PER)は直近1年間の利益ベースで14.4倍と、過去20年間の平 均を3割下回っている。

ティルソン氏(43)は、「わたしの投資人生で、質の高い銘柄が これほど安くなったことはない。投資家はこれまで最も質が高い銘柄 を敬遠してきたが、今では買いが殺到している」と語った。