英ボーダフォン:中国移動の株式売却-戦略機能せずの声も

英携帯電話サービス会社のボーダフ ォン・グループは、保有していたチャイナ・モバイル(中国移動)の 株式を509億香港ドル(約5500億円)で売却した。2008年のビット リオ・コラオ最高経営責任者(CEO)就任後では最大規模の資産売 却となった。

ブルームバーグ・ニュースが入手した株式売却の条件概要書によ れば、ボーダフォンは7-8日にかけて、チャイナ・モバイルの株式 約6億4290万株を1株当たり79.20香港ドルで売却した。ボーダフォ ンは2000-02年に2回に分けて、32億5000万ドル(現在の為替レー トで約2720億円)で同社株を取得。売却額はその2倍となった。

サムスン証券のアナリスト、ポール・ウー氏は8日のインタビュ ーで、「ボーダフォンはシナジー(相乗)効果を見いだせると考え、少 数の持ち株比率にとどまる出資を世界中で実施し、この携帯電話サー ビスの帝国を築いた」と指摘。「その戦略が機能しなかったため、非中 核資産を処分しようということになった。今回は比較的決定が容易な 案件だ。彼らは3.2%しか出資しておらず、チャイナ・モバイルの経 営に影響を及ぼすことができないからだ」と述べた。

チャイナ・モバイルの株価は8日午前の取引終了時点で、前日比

3.9%安の78.80香港ドルに下落。このままいけば、09年8月17日以 来の大幅な下落率で取引を終えることになる。同社は、時価総額と契 約者数で世界最大の携帯電話サービス会社。

BDAチャイナの通信アナリスト、フローラ・ウー氏(北京在勤) は電話取材で、両社間に「実質的な深い協力関係はなかった」として、 今回の株式売却がチャイナ・モバイルに与える影響はほとんどないと の見方を示している。

チャイナ・モバイルの広報担当、雷雨氏(香港在勤)は、直ちに コメントすることはできないと述べた。同氏は今回の売却発表前には、 ボーダフォンが保有株を処分するのは自由だと述べていた。