原油先物:順ざやの先物間価格差、2倍に拡大-来年の景気回復見込む

原油先物相場で期近物と半年先に引 き渡しとなる期先物との価格差が2倍に拡大した。来年の米経済の回復 を見越し需要が増加すると予想するトレーダーが増えている。

期近物より期先物の方が高い順ざやとなっている原油先物相場で、 10月限と2011年3月限の価格差が8月に1バレル当たり5.76ドル と、7月末時点の2.60ドルに比べ2倍以上に拡大した。原油先物10 月限はその間、9.4%下落したが、11年3月限の下落率は5.3%にとど まった。オスロを本拠とする海運ブローカー、RSプラトーのウェブサ イトのデータによると、米コノコフィリップスはメキシコ湾上で原油を 貯蔵するためタンカーを用船した。

8月の原油、ガソリン、ヒーティングオイル(暖房油)の在庫は 20年ぶりの高水準に達した。4-6月期(第2四半期)の米経済成長 率(年率)は速報値の2.4%から1.6%に下方修正された。原油の期近 物と11年3月限との価格差が3カ月ぶりの高水準に達したことは、来 年の米経済回復を見込んだ原油貯蔵が利益を生むことを示唆している。

ドイツ銀行のエネルギー担当チーフエコノミスト、アダム・シミン スキー氏(ワシントン在勤)は、「需要は11年にはかなりよくなるよ うだ。その時までに鉱工業生産、住宅、投資、そしておそらく消費者の 景況感など経済指標全般もよくなっているだろう」と述べた。同氏は来 年の原油価格が1バレル=80ドルまで上昇すると予想している。

タンカー需要

世界最大のタンカー運航会社フロントラインは8月27日、10-12 月期(第4四半期)に貯蔵用タンカー需要が増加するとの見通しを示し た。

フロントラインの最高財務責任者(CFO)、インゲル・クレンプ 氏は9月1日、オスロでの会議で「洋上貯蔵需要は戻ってくるだろ う。実際、多くの問い合わせが来ている」と述べた。

エネルギー関連の商品に重点を置くヘッジファンド、アゲイン・キ ャピタル(ニューヨーク)のパートナー、ジョン・キルダフ氏による と、原油先物間の価格差拡大は、トレーダーらが、年内は経済が軟化し 続けるが来年1-6月(上期)には改善すると予想していることを示 す。アゲイン・キャピタルは運用資産額を明らかにしていない。

米経済指標で景気回復が停滞していることが示されたことから、原 油の期近物価格は4月に付けた年初来高値から15%下落している。

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