【テクニカル分析】10年債利回りは1.2%が「分水嶺」、目先は低下へ

みずほインベスターズ証券の井上明 彦チーフストラテジストは、10年債利回りの1.2%は今後の相場の方 向を決める重要な境目との見方を示した上で、同水準の手前でいった ん上昇が止まったことで、目先は低下に転じると予想している。

過去1年の新発10年債利回りの推移を見ると、1.2%が下値の抵 抗ラインとなっていたが、今年6月22日に下抜けしたことをきっかけ に金利低下が加速。8月25日には0.895%と7年ぶりの低水準を記録 した。しかし、その後は急上昇し、今月6日には1.195%と再び1.2% の節目に接近した。8日午前は1.13%で取引を終えた。

井上氏は、「1.2%手前で上昇が止まったとみれば、当面は1.0-

1.2%でもみ合い。抵抗ラインだった1.2%をいったん下抜けすると、 今度はそこから上に抜けづらくなることは多い」と言う。

1.2%という水準について、井上氏は相場を方向付ける「分水嶺」 だと指摘する。「山で例えれば尾根にあたり、ここにボールを置いても 不安定だ。その手前の1.1%か、先の1.3%か、どちらかの谷に転がり 落ちる」として、目先は1.1%に収れんするとみている。

過去1年の10年債入札での表面利率(クーポン)を見ると、1.3% が6回と最も多く、1.4%は3回、1.1%は2回、1.0%は1回。しかし、

1.2%で決まったことは一度もなく、とどまりづらい水準であることを 示している。

一方、井上氏は、10年債利回りが1.2%を上抜けすると、9月中 間期末を控えて売りが出やすいだけに、金利上昇が加速すると警戒し ている。「上抜けした後の落ち着きどころは1.3%だが、3月期末の

1.4%付近までもう一段、上昇が加速するリスクもある」と言う。