7月の機械受注は2カ月連続増加-予想を大幅上回る伸び

7月の機械受注(船舶と電力を除 く民需)は、前月比で2カ月連続増加した。伸び率は事前予想を大幅 に上回った。企業収益の回復を背景に設備投資は持ち直しつつあるが、 円高による景気下押しリスクが顕在化すれば、設備投資の回復に水を 差す恐れがある。

内閣府が8日発表した機械受注統計によると、7月のコア機械受 注(季節調整値)は前月比8.8%増の7663億円。上昇率の大きさは昨 年12月(前月比15.4%増)以来。内訳は製造業が同10.1%増、非製 造業が同8.1%増だった。前年同月比では15.9%増加した。ブルーム バーグ・ニュースの事前調査による予測中央値は前月比2.0%増、前 年同月比8.1%増。前月比予想の幅は1.8%減から5.2%増だった。

機械受注は各企業が設備用機械をメーカーに発注する段階で集計 するため、実際の設備投資に半年程度先行するとされる。内閣府はコ ア機械受注の基調判断について「持ち直しの動きが見られる」と前月 の判断を維持した。船舶・電力に加え、振れの大きな携帯電話を除い たベースでも機械受注は前月比6.4%増と高い伸びとなった。

下押しリスクの払しょく努める

津村啓介内閣府政務官は統計発表を受けた記者説明で、今後の設 備投資の動向について「分かれ道にある」と述べ、今後の円高の進行 次第では国内よりも海外での投資が増加する可能性に言及。円高によ る景気下押しリスクについては「非常に強い危機感を持っている」と 述べるとともに、「政策を総動員して下押しリスクの払しょくに努め る」と強調した。

財務省が3日発表した4-6月期の法人企業統計によると、同期 の設備投資(除くソフトウエア)は前年比1.5%減(1-3月期12.9% 減)と、3四半期連続で減少率が改善した。これを受け、民間エコノ ミストは内閣府が10日に公表する4-6月期のGDP(国内総生産) 2次速報で民間設備投資の上方修正を見込んでいる。

三井住友アセットマネジメントの宅森昭吉チーフエコノミストは、 事前予想を上回る「ポジティブサプライズとなった」とした上で、上 昇の背景に特殊要因が特にないことも言及。その上で「足元の環境は 円高などで不透明感が強まっているものの、機械受注の緩やかな増加 基調は崩れてはいない」との見方を示した。

8日の東京外国為替市場では、ドル・円相場が1ドル=83円台後 半で推移している。7日の海外市場では一時、1ドル=83円52銭ま で円が上昇、1995年6月以来、約15年ぶり円高値を更新した。

リスクは円高と海外経済

4-6月期の機械受注実績は前期比0.3%増と3期連続のプラス となったが、3月時点での内閣府見通しの1.6%増を下回った。内閣 府が主要機械メーカー280社を対象に6月末時点で調査・集計した7 -9月期のコア機械受注の見通しは、前期比0.8%増となっている。

津村政務官は8月、9月が前月比でそれぞれ5.4%減でも7-9 月期の見通しを達成できるとの試算を示し、仮に8月、9月が7月か ら横ばいで推移した場合、7-9月期は前期比6.5%増になると述べ た。政務官は「円高の下押しリスクがさらに大きくならなければ、見 通しの達成は可能だ」と述べた。

バークレイズ・キャピタル証券の森田京平チーフエコノミストは、 「4四半期連続での前期比プラスが視界に入ってきた」と指摘。「設 備投資は底離れを続ける」という見方をメーンシナリオとする一方、 リスク要因として円高と米国、中国を中心とした海外経済の想定以上 の減速を挙げた。

荒井聡国家戦略兼経済財政担当相は、日本が予備費9200億円を活 用した追加経済対策の閣議決定を10日に予定し、米国も景気刺激策の 全容を同日発表することについて「今回の株安や円高はアメリカの景 気の下振れ懸念から発生したので、日米が軌を一にして経済対策を打 っていくことは、ある意味で相互に効果を発揮するのではないか」と 述べ、景気の下支えに期待感を表明した。

業種別にみると、7月は製造業では、一般機械、電気機械、化学 などが上昇に寄与し、非製造業では金融・保険、卸売・小売りなどが プラスに寄与した。機械受注のうち、日本企業の子会社を含めた海外 からの機械の受注を示す外需は、7月に3カ月連続で増加し、前月比

2.6%増の7995億円。バークレイズの森田氏は、「外需の底堅さは景気 後退の可能性が低いことを示唆している」との見方を示した。

--取材協力 Minh Bui, Theresa Barraclough Editor:Hitoshi Ozawa,Norihiko Kosaka

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