日銀月報:景気は先行き「改善の動きが一時的に弱まる」

日本銀行は8日午後、9月の金融 経済月報を公表し、景気は「緩やかに回復しつつある」として、足元 の情勢判断を据え置いた。ただ、先行きについては「改善の動きが一 時的に弱まるものの、緩やかに回復していくと考えられる」として、 改善ペースの一時的な鈍化の可能性を指摘した。

輸出や生産は「ひところに比べ増加ペースが鈍化しているが、増 加を続けている」として、前月の判断に「増加ペースの鈍化」を加え た。設備投資は「持ち直しに転じつつある」、雇用・所得環境は「引 き続き厳しい状況にあるものの、その程度は幾分和らいでいる」との 判断を据え置いた。

個人消費は「持ち直し基調を続けており、特に最近では猛暑の影 響や耐久消費財の駆け込み需要がみられる」として、「猛暑や駆け込み 需要」について記述を加えた。住宅投資は「下げ止まっている」、公共 投資は「減少している」として、いずれも判断を据え置いた。

日銀は7日開いた金融政策決定会合で、政策金利を0.1%に据え 置くことを全員一致で決定した。日銀は公表文で、景気の「下振れリ スクに注意が必要」とした上で、金融政策運営について「必要と判断 される場合には適時適切に政策対応を行っていく」と表明した。

個人消費、生産は一時的に弱めに

月報は先行きについて、輸出は「海外経済の改善が続く下で、当 面そのペースは緩やかながら、増加を続けるとみられる」として、前 月の判断をほぼ据え置き。「企業収益が改善基調にある下で、設備投資 は徐々に持ち直しの動きがはっきりしていくとみられる。もっとも、 設備過剰感が残ることなどから、当面そのペースは緩やかなものにと どまる可能性が高い」として、設備投資の判断もほぼ据え置いた。

個人消費は「猛暑効果のはく落やエコカー補助の終了などから一 時的に弱めとなる可能性が高いが、ならしてみれば持ち直し基調を続 けるとみられる」として、一時的な鈍化の可能性を指摘。公共投資は 「減少を続けるとみられる」との判断を据え置き。生産は「耐久消費 財を中心に一時的に弱めの動きとなるものの、ならしてみれば増加基 調をたどると考えられる」として、一時的な鈍化の可能性を指摘した。

物価の先行きについては、国内企業物価(3カ月前比)は「国際 商品市況反落の影響が続くことから、当面弱含みで推移するとみられ る」、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は「マクロ的な需給バラ ンスが徐々に改善することなどから、基調的にみれば下落幅が縮小し ていく」との見通しを据え置いた。

緩和方向の動きが続いている

金融環境も「緩和方向の動きが続いている」との判断を維持。「 実体経済活動や物価との関係でみると、低金利の緩和効果はなお減殺 されている面があるが、企業収益との対比では、その効果は強まりつ つある」との判断も据え置いた。資金供給面も「企業からみた金融機 関の貸出態度は改善している。コマーシャルペーパー(CP)・社債 市場では、良好な発行環境が続いている」との判断も据え置いた。

資金需要面では「企業の運転資金需要、設備資金需要とも後退し ているほか、一部にこれまで積み上げてきた手元資金取り崩しの動き もみられている」との判断を維持。企業の資金調達動向も「銀行貸出 は減少している。社債の残高は前年を上回っている一方、CPの残高 は減少している」との判断も据え置き。企業の資金繰りについても「 総じてみれば、改善の動きが続いている」との判断を維持した。

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