日本株続落、円高と欧州問題で輸出や金融安-9000円割れも

東京株式相場は続落し、日経平均株 価は4営業日ぶりに一時9000円を割り込んだ。円相場が対ドルで15年 ぶりの高値となり、自動車や電機、精密機器など輸出関連株が下落。欧 州のソブリン債や金融機関動向への懸念から、その他金融や証券・商品 先物取引など金融株の下げも大きかった。

日経平均株価の終値は前日比201円40銭(2.2%)安の9024円60 銭、TOPIXは13.93ポイント(1.7%)安の820.99。東証1部33 業種は空運のみ前日比変わらずで、32業種が安い。

DIAMアセットマネジメントの平川康彦ファンドマネジャーは、 「財政健全化の前提となる景気にピークアウト感が出る状況では、欧州 問題は頭をもたげやすくなる。円高を受けた株安は、これまでの『懸念 売り』から『現実売り』の段階に入った」と話していた。

反転するきっかけがつかめない円高が重しとなり、日経平均はこの 2日間で、9月1日から4連騰した間の上昇分の約6割を失った。午後 に発表された8月の景気ウオッチャー(街角景気)調査では、3カ月前 と比べた景気の現状判断DIが45.1と、7月の49.8から大幅に低下し た。円高株安で消費者マインドが低下して家計動向が厳しいなか、急激 な円高などで企業動向の輸出環境も急激に悪化したことが響いている。

為替相場では、欧州財政不安や日米金利差縮小から円が主要通貨に 対しほぼ全面高。対ドルでは1995年5月以来の円高・ドル安水準とな る1ドル=83円35銭まであった。メリルリンチ日本証券の藤井知子F Xストラテジストは、「米国金融緩和見通しという強力な米ドル安円高 材料が続く以上、円高圧力は避け難く、当面米ドル・円が自律反転すべ き理由は見当たらない」とし、円は「史上最高値の79円75銭を試す可 能性が強まりつつある」と指摘している。

円高がむしばむ企業業績

野村証券では、金融を除く上場主要企業の2010年度経常利益を1 ドル=89円前提で前期比57.5%増益と予想しているが、対ドルでの1 円の円高は同利益を0.6%減少させると試算した。業種別では自動車が

2.4%減と最も影響が大きく、機械は1.1%減、電機・精密は0.9%減。 きょうの日本株市場では、輸送用機器、精密、電機、機械株がそろって 東証1部の業種別下落率上位に並んだ。

また、アイルランド政府が一部の銀行保証措置について期間を延長 したことで、市場では同国の金融システム救済のコストが増大している との懸念が高まった。7日の欧州債市場では、10年物のドイツ国債と 同アイルランドやポルトガル国債の利回り格差は過去最大に拡大。欧州 銀行のストレステスト(健全性審査)への疑念も根強い。

「甘いと言われていたストレステストの評価を厳しくすれば、欧州 銀行の信用不安が広がる恐れがある」と、かざか証券の田部井美彦市場 調査部長。信用収縮が起これば、「その他金融は金利上乗せでコストが 増加する可能性があるなど、国内金融業界の収益環境にもマイナスにな る可能性がある」という。東証1部の業種別下落率では、その他金融1 位、証券・商品先物取引2位など金融株の下げがきつかった。

ドイツ証券の神山直樹チーフエクイティストラテジストは、「日経 平均9000円の水準は業績下方修正を織り込んだフェアバリューの範囲」 とする半面、可能性は低いながら、「クレジット問題が仮に再燃するな ら8400-8500円までの下落はあり得る」と見ていた。

東証1部の売買高は概算で14億7355万株、売買代金は同1兆62 億円。値上がり銘柄数は198、値下がりは1347。

個別の材料銘柄では、ユーロ円建て転換社債型新株予約権付社債 (CB)を2本発行するユニ・チャームが売買を伴って下落。大和証券 キャピタル・マーケッツでは、希薄化リスクを吸収するさらなる成長政 略が求められるとし、「現状『買い』の投資判断は見直しを含めて検討 したい」とコメントした。同じくCB発行のアンリツも、潜在的な需給 悪化懸念で急落。パソコン出荷や為替などの前提変更でバークレイズ・ キャピタル証券が業績予想を減額し、格下げしたイビデンも大幅安。

池田泉州は急伸、新興市場は下落

半面、インデックスの作成・管理で世界大手のFTSEが7日に公 表したジャパン・リージョナル・インデックスの定期見直しで、新たに 採用された池田泉州ホールディングスはパッシブファンドからの買い需 要などが期待され急伸。北米事業の復活を予想し、シティグループ証券 が投資判断を引き上げた東洋水産は反発。

新興市場も下落。ジャスダック指数の終値は前日比0.4%安の

47.90と続落した。東証マザーズ指数は1.5%安の374.67と4日ぶり反 落し、大証ヘラクレス指数は1.1%安の567.53と5日ぶりに反落。

個別の材料銘柄では、11年1月期の業績予想を上方修正したもの の、7日付の日本経済新聞朝刊で事前に報じられ前日急騰した反動でO SGコーポレーションが大幅安。売買代金上位では、楽天、ミクシィ、 セラーテムテクノロジーが下げた。

半面、発行済み株式総数の2.34%に相当する1000株を上限に自社 株買いを行うアスカネット、総合セキュリティソフトを発売すると発表 したジャストシステムは急伸。売買代金上位ではメガネスーパー、キャ ンバス、プレシジョン・システム・サイエンスが上げた。