米地区連銀報告:減速の兆候広がる、一部で「経済活動縮小」

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米連邦準備制度理事会(FRB) が8日発表した地区連銀経済報告(ベージュブック)では、米国の 景気は7月半ばから8月末までに引き続き拡大したものの、「減速 の兆候が広がってきた」ことが示された。

12地区のうち5地区は「緩やかなペースでの経済成長」、2地 区は「前向きな動き、もしくは改善」を指摘。残りの5地区は、状 況はまちまち、もしくは減速と報告した。

政策金利の適正水準を算出する「テーラー・ルール」の提唱者 として知られる米スタンフォード大学のジョン・テーラー教授は、 ブルームバーグラジオのインタビューで、今回のベージュブックに ついて、「バーナンキ議長が提示し、ジャクソンホールでのシンポ ジウムで議論された見方が続いている」と指摘。「二番底ではない、 リセッション(景気後退)期における新たなリセッションでもない。 だが、景気回復という意味では非常に失望する内容だ」と語った。

ニューヨーク連銀は、同地区で「景気減速の兆候」が見られる とし、製造業については「一段と減速した」と報告。フィラデルフ ィア連銀は、景況は「まちまち」とし、リッチモンド連銀は「景気 減速もしくは経済活動縮小の兆候が一段と広がった」と指摘した。 またアトランタ連銀は、景気は「引き続き減速」とし、シカゴ連銀 は「緩やかになった」と説明した。

ベージュブックでは、各地区連銀からの報告が「7月半ばから 8月末まで、全国的に経済活動の拡大が続いたものの、以前に比べ て景気減速の兆候が広がってきたことを示唆した」と記された。

製造業、個人消費、賃金圧力

製造業については、拡大が続いたものの減速の兆候が示された。 個人消費は「全般的には増加したように見受けられる」ものの、必 需品以外の購入は手控えられたと説明した。住宅販売は、政府の税 控除措置の期限切れとともに落ち込み、今回さらに減少したと報告 された。

賃金圧力は限定的だったものの、一部の地区は「職務要件と応 募者のスキルにミスマッチが見られるごく一部のセクターでは、上 昇圧力が強まっている」と指摘した。

今回の報告は、12地区連銀が8月30日までに実施した聞き取 り調査を基に、サンフランシスコ連銀のスタッフがまとめた。