米国株:下落、欧州危機再燃への懸念で-金融株が安い

米株式相場は5営業ぶりに下落し た。欧州の債務危機が再燃するとの懸念が売り材料となった。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)とシティグループはいずれ も下落。欧州連合(EU)による銀行のストレステスト(健全性審査) では、ソブリン債に絡む損失が過小に評価されたとの懸念から欧州金 融機関の株価が下落した。石油のコノコフィリップスやシェブロンも 下落。原油先物相場はここ1週間で最大の値下がりだった。

一方、ソフトウエアのオラクルは上昇。同社はヒューレット・パ ッカード(HP)の前最高経営責任者(CEO)、マーク・ハード氏 をオラクルの社長に起用した。

S&P500種株価指数は前営業日比1.2%安の1091.84。ダ ウ工業株30種平均は107.24ドル(1%)下げて10340.69ド ル。独10年債とアイルランド債およびポルトガル債の利回り格差は 過去最大に広がった。

プルデンシャル・ファイナンシャルのチーフ市場ストラテジス ト、クインシー・クロスビー氏は、「利回り格差の拡大は炭鉱のカナ リアのようだ」と指摘。「債務懸念が拡大している兆候だ。株式相場 が上昇するには、リセッション(景気後退)の二番底を回避している ことを示唆する良好な経済統計が必要だ」と述べた。

ストレステスト

7月に結果が公表されたストレステストでは、一部の金融機関 の国債保有が少なく評価されていた、と米紙ウォールストリート・ジ ャーナル(WSJ)が伝えた。同紙は独自の分析を引用している。W SJによると、一部の銀行は保有総額から特定の国の国債を除外して いた。

また、ドイツ銀行協会は6日、ドイツ銀行やコメルツ銀行を含 む独銀大手10行は自己資本比率の新基準導入に伴い、約1050億 ユーロの増資が必要になる可能性があると指摘した。

S&P500種金融株価指数は2.4%安と、産業別10指数の 中で下落率最大だった。BOAは2.2%安、シティは2.1%下落し た。クレジットカードのアメリカン・エキスプレスは4.1%安と、 ダウ平均銘柄の中で最大の下落率だった。

エネルギー株

エネルギー株は1.6%安。世界景気回復に対する不安からドル が上昇し、代替投資としての商品の魅力が減退した。この日の主要6 通貨のバスケットに対するドル指数は1.1%上昇。ニューヨーク商 業取引所(NYMEX)の原油先物10月限は前営業日比0.7%安 の1バレル=74.09ドルで取引を終了した。一時は1営業日の下落 率としては8月31日以降で最大となった。

コノコフィリップスは2.5%下落、シェブロンは1.2%値下 がりした。

オッペンハイマーの投資担当チーフストラテジスト、ブライア ン・ベルスキ氏は、今年と来年のS&P500種の相場予想を下方修 正した。 ベルスキ氏は年末のS&P500種の水準予想を1225と、 従来予想の1300から引き下げた。

同氏は調査リポートで、「最近の経済統計が示す景気回復のペ ースは、予想していたよりも弱まっているということを現実として受 け止め、認識する必要がある」と指摘した。

オラクルは5.9%高。米オラクルは、ハード氏が社長および取 締役に就任すると発表した。ラリー・エリソンCEOがハード氏の上 司となる。HPのCEO在任中、ハード氏はコスト削減に加え、パソ コン・プリンターの中核事業から業務を拡大し、利益を3倍以上に伸 ばした実績がある。