米国債:上昇、3年債入札が好調-欧州債務懸念が再燃

米国債相場は上昇。欧州のソブ リン債危機により世界的な景気回復が損なわれるとの懸念が再燃 するなか、この日米財務省が実施した330億ドルの3年債入札で、 最高落札利回りが過去最低となったことが手掛かり。

10年債利回りはほぼ1カ月ぶりの高水準付近から低下。株式 相場が下落するなか、安全性を求めた買いが入った。10年物のド イツ国債と、同年限のアイルランドおよびポルトガル国債の利回り 格差はいずれも過去最大に拡大。ドイツ国債とギリシャ国債の利回 り差は5月以来の最大となった。

グッゲンハイム・パートナーズの米金利トレーディング責任者、 トーマス・ディガロマ氏は、「ユーロ圏のソブリン債相場の下落が 安全な逃避先を求めた買いを促したのは明らかだ」と指摘。「3年 債は割安ではないが、安全を買う心理の一環だ」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク 時間午後2時33分現在、10年債利回りは前営業日比10ベーシス ポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.60%。同年債(表面 利率2.625%、2020年8月償還)価格は27/32上げて100 6/32。

10年債と2年債の利回り格差は5営業日ぶりに縮小。世界経 済が失速しているとの懸念が背景にある。同利回り差は2.13ポイ ントに縮小した。先週は2.25ポイントと、日中取引ベースでは8 月11日以来の最大となっていた。

2年債

30年債利回りは12bp低下し3.67%。2年債利回りは3b p低下の0.49%。8月24日には過去最低の0.4542%を付けてい た。既発の3年債利回りは5bp低下の0.73%。

この日の3年債入札で、最高落札利回りは過去最低の0.790%。 ブルームバーグが実施したプライマリーディーラー18社のうちの 7社による入札直前の予想平均は0.791%だった。投資家の需要を 測る指標の応札倍率は3.21倍。過去10回の入札の平均は3.14 倍だった。

間接入札

落札全体に占める、海外の中央銀行を含む間接入札の割合は

42.4%と、6月以来の最大となった。プライマリーディーラー以 外の直接入札の割合は11.7%。前回の入札では15.8%だった。

プライマリーディーラーの一角であるロイヤル・バンク・オ ブ・カナダの米国債トレーディング責任者、トーマス・トゥッチ氏 は、「3年債入札は非常に好調だった」と指摘。「2年債利回りは、 ペンキが乾くのを見物するかのように退屈な動きをしている。FO MCが数年は政策金利を変更しないであろうと市場は理解してお り、この日の入札での需要がそれを示している」と述べた。

この日の3年債入札は、財務省が今週実施する3回の中長期債 入札(発行総額670億ドル)の初回。8日には10年債を210億 ドル、9日には30年債を130億ドル発行する。今回の発行総額は、 この3種類の年限の組み合わせとしては、2009年7月以来の最小 となる。

オバマ米大統領は前日、米国の輸送インフラ修復と雇用創出を 目指し、少なくとも500億ドルを支出する計画を提案した。オバ マ政権の下、景気支援の財源として国債発行が増えるなか、市場で 取引される国債は8兆1800億ドルに膨らんだ。

国債は朝方にも上昇。7月に結果が公表された欧州連合(EU) による銀行のストレステスト(健全性審査)では、一部の金融機関 の国債保有が少なく評価されていたとする米紙ウォールストリー ト・ジャーナル(WSJ)の報道がきっかけとなった。