NY外為:円、対ドル15年ぶり高値-米景気減速で

ニューヨーク外国為替市場では、 円がドルに対し15年ぶり高値に上昇。景気減速で逃避需要が高まっ たほか、日本の当局が円高阻止に向けた積極的な姿勢を示さなかった ことが材料視された。

円は主要16通貨すべてに対して値上がり。日本銀行とオースト ラリア準備銀行(中央銀行)は、米国の景気減速で政策の選択肢が限 られているとの認識を示唆した。ユーロはドルに対し、ここ2週間余 りで最大の下げ。米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が、 7月に結果が公表された欧州連合(EU)による銀行のストレステス ト(健全性審査)では、一部の金融機関の国債保有が少なく評価され ていた、と報じたことが手掛かり。スイス・フランは対ユーロで、 1999年のユーロ導入以来の最高値に上昇した。

オンライン為替取引会社GFTフォレクスの調査ディレクター、 ボリス・シュロスバーグ氏(ニューヨーク在勤)は「全般的にリスク 回避の動きが見られる」と分析。「デフォルト(債務不履行)リスク が再び欧州に付きまとっている」と指摘した。

ニューヨーク時間午後4時41分現在、円はドルに対し前日比

0.5%高の1ドル=83円81銭。一時は83円52銭と、1995年 6月以来の高値を付けた。ユーロは対ドルで1.5%安の1ユーロ=

1.2686ドルと、8月11日以降で最大の値下がり。対円では2% 下げて106円31銭。スイス・フランはユーロに対し、1.7%高の 1ユーロ=1.2817フラン。一時1.2811フランを付けた。

米経済減速

米モルガン・スタンレーは、連邦準備制度理事会(FRB)が一 段の金融緩和策を講じる可能性が強まったとの見方を理由に、ドルの 対ユーロでの相場見通しを引き下げた。

エコノミストの間では、米国では経済に雇用を増やせるだけの十 分な成長が見られておらず、失業率が向こう数カ月で10%に近づく 可能性が高いとの声が多い。米労働省が3日に発表した8月の雇用統 計によると、民間部門雇用者は前月比で6万7000人増加した。前 月は10万7000人増だった。また家計調査に基づく8月の失業率 は9.6%に上昇した。

日銀は7日開いた金融政策決定会合で、政策金利を0.1%に据 え置くことを決定。新型オペの供給額も据え置いた。日銀は先月30 日の臨時の金融政策決定会合で、政策金利(0.1%)で資金を供給 する新型オペを20兆円から30兆円に引き上げていた。

BNPパリバの為替ストラテジスト、セバスチャン・ゲーリー氏 は、今回の日銀の決定について、「あまり期待の持てる内容ではない」 と指摘。「何か追加の内容が期待されていた。これでは、円に対する より強気なポジションを助長するだけだ」と述べた。

円の動き

ブルームバーグ相関加重通貨指数によると、円は年初から15% 上昇し、主要10通貨中では最大の値上がり。逃避需要が円を押し上 げている。

菅直人首相は7日夜、TBSの番組「NEWS23クロス」に出演 し、「今の円高は非常に気にしている。為替というのは急激に変化す ると経済に非常に悪い影響を与える。そういう意味では、注視して、 必要な時には断固たる措置を取りたい」と述べた。日本が最後に介 入したのは2004年。

豪ドル

オーストラリア・ドルは米ドルに対して下落。ギラード豪首相が 政権維持に必要な無所属議員の支持を確保したのを受け、労働党政権 が鉱山会社を対象とする資源税を推進するとの観測が重しとなった。

豪中銀は金融政策決定会合後の声明で、世界の景気見通しについ て「依然としてやや不透明な状況」と説明した。

豪ドルは米ドルに対し、0.7%安の1豪ドル=0.9111米ドル。 対円では1.2%下げて76円35銭。

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