今日の国内市況:株が5日ぶり反落、債券急反発-欧州懸念で円全面高

東京株式相場は5営業日ぶりに反 落。為替市場での円高進行による業績不透明感やデフレへの警戒から、 自動車や電機など輸出関連株中心に下げた。前日までの連騰期間中に 上昇が目立っていたゴム製品や非鉄金属株も売り対象となり、両業種 は東証1部33業種の下落率1、2位。

日経平均株価の終値は前日比75円32銭(0.8%)安の9226円、 TOPIXは3.79ポイント(0.5%)安の834.92。

オバマ米大統領が6日に発表した全米規模の輸送インフラ整備6 カ年計画などへの期待感から、一時下げ渋る場面もあったきょうの日 本株だが、今晩の米国株動向を占う24時間取引のGLOBEX(シカ ゴ先物取引システム)米S&P500種指数先物は、午後に基準価格比 マイナスに沈むなど反応は鈍かった。一方、為替市場ではじりじりと 円高が進み、先行き警戒感が株価指数の連騰をストップさせた。

東京株式市場の通常取引時間中に、ドル・円は1ドル=84円5銭、 ユーロ・円107円56銭まであり、きのうの東京株式市場の通常取引終 了時点から円高が進んだ。野村証券金融市場調査部は6日、2011年3 月末の為替予想を1ドル=85円から80円に改定。また、欧州連合(E U)による銀行のストレステスト(健全性審査)では、一部の金融機 関の国債保有が少なく評価されていた、と米紙ウォールストリート・ ジャーナル(WSJ)が報道。欧州金融問題への根強い警戒も、ユー ロ弱含みの要因だった。

TOPIX下落寄与度、東証33業種の下落率で上位だった輸送用 機器株については、1ドル=90円から85円などへの為替の円高を理 由にドイツ証券がトヨタ自動車やホンダ、日産自動車、スズキ、マツ ダ、富士重工業などの業績予想をそろって下方修正した。さらに、予 算残額減少によるエコカー補助金制度の打ち切り観測も、読売新聞な ど主要各紙で伝えられていた。

このほか、日経平均はきのうまでの4連騰で、5.4%(477円)上 昇した。短期的な急上昇により、戻り売り圧力も強まりやすかった。 4連騰期間中の上昇率が上位10業種に入っていたゴム製品、非鉄金属、 海運が安くなった。7月の工業生産が11カ月ぶりの小幅な伸びとなっ たことを受け、中国工業情報省は7日に工業生産の増加ペースは今後 も一段と鈍化する、との見通しを示している。

一方、下落業種が多くなる中、鉄鋼は東証33業種で上昇率1位と 健闘した。鉄鋼生産で中国最大の河北省は、地方政府による電力の供 給制限を受け、57の溶鉱炉と生産ラインを今月4日から停止。

東証1部の売買高は概算で15億8575万株、売買代金は同1兆39 億円。値上がり銘柄数は458、値下がり銘柄数は1002。

債券は急反発

債券相場は急反発。前日までの下落相場で現物債利回りが上昇し たことで投資家の購入意欲が強まったほか、日本銀行がこの日の金融 政策決定会合後の声明文で、今後の追加緩和の可能性を示唆したとの 見方が広がり、買いが優勢となった。

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の310回債利回 りは、前日比1ベーシスポイント(bp)低い1.175%で始まり、1.155% まで下げた後に、やや水準を切り下げ、いったんは1bp低い1.175% を付けた。午後に入ると再び水準を切り下げ、3時過ぎにはとなる5 bp低い1.135%と2日ぶりの低水準を付けた。

金融政策変更の影響を受けやすい中期債も高い。新発2年物の 296回債利回りは横ばいの0.145%だったのが1bp低い0.135%に低下 した。新発5年物の90回債利回りはやや売られていたのが、午後に入 ると3bp低い0.33%に低下している。

日銀は7日、同日開いた金融政策決定会合で政策金利を0.1%に 据え置くことを全員一致で決定したと発表した。新型オペの供給額も 据え置いた。日銀は景気の「下振れリスクに注意が必要」とした上で、 金融政策運営について「必要と判断される場合には適時・適切に政策 対応を行っていく」と表明した。

あす8日には30年債入札が実施される。今回の入札では表面利率 (クーポン)は前回債より0.3ポイント低い2.0%が予想されている。 発行予定額は前回債と同額の6000億円程度。

一方、東京先物市場で中心限月9月物は5日ぶりに反発。前日比 21銭高の141円38銭で始まった。日経平均株価の反落もあって141 円51銭まで上昇した後は2銭高まで伸び悩んだ。午後に入ると再び買 いが膨らみ、水準を切り上げ、一時は141円58銭まで上昇し、結局は 38銭高の141円55銭で取引を終えた。

ユーロがほぼ全面安-円全面高

東京外国為替市場ではユーロがほぼ全面安となった。欧州の金融 機関の債務問題に対する懸念が再燃したことが背景で、ユーロはほと んどの主要通貨に対して下落した。一方、投資家のリスク回避姿勢が 強まるなか、円は主要通貨に対して全面高となった。

ユーロ・円相場は1ユーロ=108円台半ば付近から一時、107円 30銭と4営業日ぶりの水準までユーロ安が進行。ユーロ・ドル相場は 1ユーロ=1.28ドル台後半から一時、1.2781ドルと3営業日ぶりの安 値水準までユーロ売りが進んだ。

欧州懸念再燃で投資家のリスク許容度低下が意識されるなか、低 金利で調達通貨とされる円やドル、代表的な「避難通貨」であるスイ ス・フランが上昇した。一方、オーストラリア準備銀行(RBA)の 金融政策発表後、豪ドルは下落した。

ドル・円相場は対ユーロなどでのドル買いと円買いに挟まれ、1 ドル=84円台前半で方向感の出にくい展開が続いていたが、午後には 円買いがやや優勢となり、84円ちょうどを突破。一時、1週間ぶりの 円高水準となる83円83銭を付けた。

米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は、7月に結果 が公表された欧州連合(EU)による銀行ストレステスト(健全性審 査)で、一部の金融機関の国債保有が少なく評価されている、と伝え た。独自の分析を引用している。WSJによると、一部の銀行は保有 総額から特定の国の国債を除外していた。

ドイツ銀行協会が、新たな基準の導入に伴い、独銀大手10行が約 1050億ユーロ(11兆3300億円)規模の増資が必要になる公算がある と指摘したことも重しとなり、ユーロは売りが先行。対スイス・フラ ンでは一時、1ユーロ=1.2900フラン付近までユーロ安が進み、先月 末に記録した1999年のユーロ導入以来の最安値(1.2852フラン)に 接近した。

豪中銀は7日の金融政策決定会合で、政策金利を4カ月連続で据 え置くことを決めた。国内の景気拡大が加速している証拠はあるもの の、世界経済の回復が失速するとの懸念がそれに勝った。

結果は予想通りだったが、利上げ再開に向けたタカ派姿勢を期待 する声もあっただけに、結果発表後はオーストラリア・ドル売りが活 発化。さらに、ギラード豪首相が政権維持に必要な無所属議員の支持 を確保したことが明らかとなると、労働党政権が鉱山会社を対象とす る資源税を推進するとの観測が強まり、豪ドルは下げ幅を拡大した。