EU財務相理事会:財政規律違反国の制裁や金融取引税で合意できず

財政規律に関する欧州連合(E U)の協定に違反する加盟国への制裁について、EU財務相理事会 は意見統一に至らなかった。景気改善で今年前半の債務危機の記憶 が薄れる中で、制裁強化を主張するドイツの案に各国は難色を示し た。

財政の弱い国に対する新たな制裁措置については、スペインが 先頭に立って異を唱えた。ドイツが呼び掛けるEU金融取引税の導 入についても合意できなかった。

スペインのサルガド財務相は7日ブリュッセルでの会合後の 記者会見で、「既に協定に盛り込まれている制裁の実施には賛成だ が、新たな制裁措置導入には反対だ」と述べた。新たな措置にはE Uインフラ基金の利用停止などが挙がっている。

統一通貨ユーロは対ドルで6月7日に付けた4年ぶり安値か らは7%回復し、危機感は後退しつつある。スペイン、ポルトガル、 アイルランド国債のドイツ債に対するプレミアム(上乗せ利回り) はEUが5月に救済パッケージを取りまとめた時点よりも大きい ものの、実際にギリシャに続いて救済要請に追い込まれた国はない。

EUの規則は財政赤字が国内総生産(GDP)の3%という上 限を超えた国に対する制裁を定めているが、実際に制裁が行われた ことはまだない。欧州委員会は今月29日に、制裁回避をより難し くする案を示す予定だ。制裁の動議を否決するために過半数の賛成 を取り付けることなどが必要になる。

赤字削減の途上にある国への扱いなども不明瞭だ。ラガルド仏 財務相は何を制裁の対象とするかは「簡単ではないが根本的な議論 だ」と話した。ショイブレ独財務相の案は、違反国にインフラ整備 向けの資金の利用を禁じる一方で農業補助金は継続する内容。制裁 に関する決議で対象国に投票権を与えないことも提案している。

危機対応メカニズムの整備を求めるドイツ案も、EUの憲法に 当たる条約の改正を必要とするため議題から外された。

一方、4カ月にわたる協議の成果としてこの日は、各国政府の 予算をあらかじめ精査する新規則が策定された。各国は毎年4月末 までに、税収と支出、景気見通しの概要をEUに提出することにな る。他のユーロ圏諸国が7月末までに、これに対する「評価と指針」 を示す。

この日の会合では制裁に関する合意には至らなかったが、EU 首脳らは11月終わりまでには新システムの枠組みを決めたい考え だ。ファンロンパイEU大統領は9月16日ブリュッセルでのEU 首脳会議で進展を報告する。

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