ハーバード卒リーマン元社員、解雇から一念発起-女性CFA活躍支援

「バーで働けば?」。米リーマン・ ブラザーズ・ホールディングスを2008年に解雇されたハーバード大学卒 のサラ・グリロ氏は、友人からそんな助言を受けた。それから2年、ヘ ッジファンドアナリストに転身後、金融業界の重要なポストに就く女性 が増えるようキャンペーン活動に情熱を注いでいる。

ヘッジファンド顧問会社ダイヤモンド・オーク・キャピタル・アド バイザーズを共同経営するグリロ氏(32)は、サブプライム(信用力の 低い個人向け)住宅ローン市場崩壊により金融業界で失業した約22万 5000人の1人だった。金融業界に見切りを付けるよう勧める友人の助言 に失望したグリロ氏は、逆に業界で働く女性を増やすことを手助けしよ うと決意した。目標はCFA協会認定証券アナリスト資格を持つ女性の 割合を現在の19%から50%に引き上げることだ。

グリロ氏はニューヨーク市クイーンズ区の自宅から電話インタビュ ーに答え、「わたしがもし背が高く、肩幅の広い白髪交じりの50歳の男 性で同じ資格を持っていれば、給与が当時の8分の1にも満たない仕事 など誰も勧めて来なかっただろう」と振り返る。「わたしはCFAの資 格保有者だ。いつも女性たちの顔を正面から見据え、わたしにできたの だから、あなたにもできるはずと語り掛けている」と話す。

CFA協会によると、世界のCFA資格保持者約9万人のうち女性 は19%。この割合は米州で18%、欧州では17%に下がる。アジア太平 洋地域が最も高く25%だ。

スターンとハーバード

女性の資格保有者比率を引き上げるため、グリロ氏はロビー活動や 意欲を引き出すための講演活動も行う。個別的な取り組みでは、メンタ ー(指導者)として20人に助言を与えている。その中には、07年に自 身が経営学修士(MBA)を取得したニューヨーク大スターン経営大学 院や英文学を専攻したハーバード大の学生のほか、CFA協会の支部で あるニューヨーク証券アナリスト協会の会員らが含まれる。

「クイーンズの地下鉄で会った女性は、ある人物とトラブルになり とてもつらい思いをしていた。わたしは彼女を見て『そんな人はあなた にとって必要ない。もっと能力を発揮できる仕事がある。株式について 教えましょう』と話した」。

このような女性のうちの1人、ナン・チャオさん(25)とは、会員 制交流サイト「リンクトイン」のウェブサイトを通じて、ダイヤモン ド・オークでインターンとして働いてはどうかと申し出た後に会った。 チャオさんは中国河北省の省都、石家荘市の出身。07年に米国に留学し た。

チャオさんはサンフランシスコ州立大で昨年12月にMBAを取得 した。サンフランシスコからの電話インタビューで「金融危機後の解雇 の波の中、金融業界で就職先を探すのは既にとても大変だった。経験も なく、しかも外国人なので米国での就職は一層困難。いつも不採用通知 ばかり受け取っていた」と語る。

指数構築

チャオさんは6月、CFAの3段階の受験プログラムのうちレベル 2に合格。ダイヤモンド・オークで働く5人のインターンの1人だ。グ リロ氏と電子メールや電話で連絡を取り合いながら、ヘッジファンドの 指数の構築を手伝っている。

チャオさんは「サラは知識をどう活用すればいいか、ビジネスウー マンやプロになるにはどうすればいいかを教えてくれる」と述べた。

CFA協会のウェブサイトによると、同協会は1947年にフィナンシ ャルアナリスト協会連合会(FAF)として設立された。63年に実施さ れた初回の試験では男性278人、女性6人が受験。CFA保有者のうち 女性の割合は85年までに11%、96年までに18%に増えた。

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