ユーロがほぼ全面安、欧州債務懸念が再燃-リスク回避で円は全面高

東京外国為替市場ではユーロがほぼ 全面安となった。欧州の金融機関の債務問題に対する懸念が再燃した ことが背景で、ユーロはほとんどの主要通貨に対して下落した。一方、 投資家のリスク回避姿勢が強まるなか、円は主要通貨に対して全面高 となった。

ユーロ・円相場は1ユーロ=108円台半ば付近から一時、107円 30銭と4営業日ぶりの水準までユーロ安が進行。ユーロ・ドル相場は 1ユーロ=1.28ドル台後半から一時、1.2781ドルと3営業日ぶりの安 値水準までユーロ売りが進んだ。

日本総合研究所の牧田健主任研究員は、足元までの欧州経済はユ ーロ安の恩恵もあり好調だが、緊縮財政政策も本格実施されておらず、 予断は許さないと指摘。「今後、緊縮財政が本格化するにつれて欧州経 済への下押し圧力は高まってくると考えられ、銀行システムも脆弱な ことから、ユーロは主要通貨に対して売られやすい展開になる」との 見方を示した。

欧州懸念再燃で投資家のリスク許容度低下が意識されるなか、低 金利で調達通貨とされる円やドル、代表的な「避難通貨」であるスイ ス・フランが上昇した。一方、オーストラリア準備銀行(RBA)の 金融政策発表後、豪ドルは下落した。

ドル・円相場は対ユーロなどでのドル買いと円買いに挟まれ、1 ドル=84円台前半で方向感の出にくい展開が続いていたが、午後には 円買いがやや優勢となり、84円ちょうどを突破。一時、1週間ぶりの 円高水準となる83円83銭を付けた。

欧州不安

米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は、7月に結果 が公表された欧州連合(EU)による銀行ストレステスト(健全性審 査)で、一部の金融機関の国債保有が少なく評価されている、と伝え た。独自の分析を引用している。WSJによると、一部の銀行は保有 総額から特定の国の国債を除外していた。

ドイツ銀行協会が、新たな基準の導入に伴い、独銀大手10行が約 1050億ユーロ(11兆3300億円)規模の増資が必要になる公算がある と指摘したことも重しとなり、ユーロは売りが先行。対スイス・フラ ンでは一時、1ユーロ=1.2900フラン付近までユーロ安が進み、先月 末に記録した1999年のユーロ導入以来の最安値(1.2852フラン)に 接近した。

資産管理サービス信託銀行資金為替部の野村祥宏調査役は「WS Jの記事は欧州ストレステストの不完全さを蒸し返しているような内 容で、ユーロは再びきな臭い感じになっている」と指摘。三菱UFJ 信託銀行資金為替部の酒井聡彦グループマネージャーは、欧州の金融 機関の問題は根深く、「いずれはマーケットがそのことに気付かされる 局面が来る」と話していた。

豪ドル

豪中銀は7日の金融政策決定会合で、政策金利を4カ月連続で据 え置くことを決めた。国内の景気拡大が加速している証拠はあるもの の、世界経済の回復が失速するとの懸念がそれに勝った。

結果は予想通りだったが、利上げ再開に向けたタカ派姿勢を期待 する声もあっただけに、結果発表後はオーストラリア・ドル売りが活 発化。さらに、ギラード豪首相が政権維持に必要な無所属議員の支持 を確保したことが明らかとなると、労働党政権が鉱山会社を対象とす る資源税を推進するとの観測が強まり、豪ドルは下げ幅を拡大した。

一方、国内では日本銀行が同日開いた金融政策決定会合で政策金 利を0.1%に据え置くことを全員一致で決定した。新型オペの供給額 も据え置いた。結果は予想通り。日銀は景気の「下振れリスクに注意 が必要」とした上で、金融政策運営について「必要と判断される場合 には適時・適切に政策対応を行っていく」と表明した。

--取材協力:関泰彦 Editor: Hidekiyo Sakihama, Masaru Aoki

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