民主・大久保氏:脱デフレへ日銀券ルール撤廃で長期国債買い入れ増を

民主党の大久保勉参院議員は、デ フレ脱却を実現するためには金融政策よりも財政出動が必要だとし、 財源となる赤字国債の引き受け手として日本銀行による長期国債の買 い入れを増額すべきだとの認識を示した。その上で、長期国債の保有 残高を日銀券発行残高以下にとどめる「日銀券ルール」を撤廃すべき だとの考えを示した。

大久保氏は、日銀が先月末に決定した追加金融緩和策について「 小出しに過ぎる。大いにがっかりした」と批判した。その上で、「金 利がゼロ%に近い中での金融政策には限界があり、財政出動が必要だ」 と指摘。税収が落ち込むなか、財源確保のための赤字国債は避けられ ないとし、「将来の財政負担に備えて日銀に保有してもらわなければ ならない」と主張した。

参院財政金融委員会の筆頭理事を務める大久保氏は、民主党代表 選に出馬した小沢一郎前幹事長の推薦人の1人。小沢氏は金融政策だ けではデフレは脱却できないと、より財政出動に重きを置いていると 解説、日銀の内規である同ルールの見直しを重ねて強調した。同氏は 6日のブルームバーグ・ニュースのインタビューで語った。

日銀は円高・株安による景気下振れを回避するため、先月30日開 いた臨時の金融政策決定会合で、新型オペによる資金供給額を20兆円 から30兆円に引き上げ、うち10 兆円の資金供給期間を3カ月から6 カ月に延長することを決定。長期国債の買い入れ額は月1.8兆円で据 え置いた。日銀の営業毎旬報告によると、日銀保有の長期国債の残高 は8月末時点で約57.2兆円、銀行券発行残高は約77兆円で、買い入 れ余力は約19.8兆円と20兆円を下回った。

インフレ目標の導入を

また、大久保氏は3年程度で日本経済のインフレ率を2%程度に する「インフレ目標」の導入に併せて、政府・日銀が財政・金融政策 に対する合意(アコード)を結び、国民と金融市場に対して説明責任 と結果責任を持つべきだと強調。長期にわたってデフレ脱却が実現で きない場合は、日銀総裁の解任権を財務相に与える日銀法改正も必要 になると語った。

小沢氏は足元の円高について政権政策に「急激な円高には市場介 入を含むあらゆる方策を果断に実施する」と明記。その後の立会演説 会などでは「円高のメリットを利用して日本が海外の資源に投資する チャンスだ」とも述べ、政府主導で10兆-20兆円単位の投資を検討 する考えも示していた。

これに対し、大久保氏は「1兆ドルを超える外貨準備の保有外貨 の一部を国際協力銀行(JBIC)に入れて、資源融資や原子力、鉄 道などを新興国に提供する際のドルファイナンスに活用すればよい」 と指摘。外貨準備の活用によって新興国のインフラ開発資金を提供し、 日系企業の鉄道、高速道路、原子力発電所施設などのプラント輸出を 支援すべきだとの考えを示した。

為替介入の効果は短期的

一方で、小沢氏が円高対策として掲げている為替介入には否定的 な見方を示した。大久保氏は「為替介入の効果は短期的。現実を冷静 に評価すべきだ」と指摘。足元の円高について「実効為替レートでみ ると、1995年の高値に比べて3割程度低い水準。円高に対する耐久性 が強まっており、日本企業は円高への抵抗力をつけている」との見解 を示した。

為替介入に伴う資金を市場に放置する「非不胎化介入」について も「介入をして市場にお金をじゃぶじゃぶ入れろということであれば、 国債の買い切りオペを増やす方が直接的な効果がある」と指摘。リー マン・ショック後に相次いで導入し、09年度末で完了したCP(コマ ーシャルペーパー)や社債の買い入れの再開によっても資金は潤沢に できると述べた。

大久保氏はまた、中国による日本の国債購入を円高の要因の1つ に挙げ、「中国は外貨準備保有の米国債を売って日本の短期国債を買 っている。人民元はドルペッグの通貨。結局は人民元売り・円買い介 入と同じだ」と指摘、対抗措置として人民元建ての国債を購入すべき だと語った。

--共同取材 広川高史 Editor:Hitoshi Ozawa, Norihiko Kosaka

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