日銀:政策金利、新型オペとも現状維持-適時適切に対応(訂正)

(第2段落の長谷川氏の会社名を訂正します)

【記者:日高正裕】

9月7日(ブルームバーグ):日本銀行は7日午後、同日開いた金 融政策決定会合で政策金利を0.1%に据え置くことを全員一致で決定 したと発表した。新型オペの供給額も据え置いた。日銀は景気の「下 振れリスクに注意が必要」とした上で、金融政策について「必要と判 断される場合には適時適切に政策対応を行っていく」と表明した。

日銀は先月30日の臨時の金融政策決定会合で、政策金利(0.1%) で資金を供給する新型オペを20兆円から30兆円に引き上げ、うち10 兆円の供給期間を6カ月とすることを決めた。三菱UFJモルガン・ スタンレー証券の長谷川治美シニア債券ストラテジストは「ほぼ織り 込み済みで追加的な影響は小さかった」と指摘する。

21日には米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される。先月 10日のFOMCで決定された追加的な緩和措置がドル安・円高の引き 金になった。長谷川氏は「万が一、米連邦準備制度理事会(FRB) が米国債購入拡大などの追加緩和に踏み切り、それが円高圧力を強め れば、日銀に次の一手を求める声が再燃するだろう」としている。

日銀は「景気は緩やかに回復しつつある」、先行きも「回復傾向を たどるとみられる」として、情勢判断を据え置いた。その上で「米国 経済を中心とする先行きをめぐる不確実性の高まりと、これを背景と した為替相場や株価の不安定な動きが続く下で、わが国経済の下振れ リスクに注意が必要」と表明。金融政策運営は「必要と判断される場 合には、適時・適切に政策対応を行う」と表明した。

代表選後は一段と圧力も

日銀は6日、成長基盤強化を支援するための新貸出制度第1弾を 実施。47金融機関に対して総額4625億円を供給した。日銀は「今回 の措置が呼び水となり、成長基盤強化に向けた民間金融機関の取り組 みが一層活発化することを期待している」と表明した。

菅直人首相と小沢一郎前幹事長が争っている民主党代表選の結果 は14日に判明するが、長谷川氏は「どちらが勝利しても、ねじれ国会 の状況に変化はなく、政策運営の不透明感は払しょくされない」と指 摘する。モルガン・スタンレーMUFG証券の佐藤健裕チーフエコノ ミストは「民主党代表選後、政府は日銀に対し政治的圧力を再び強め ることが予想される」とみる。

9月は日銀政策委員の講演や会見、重要指標が目白押しだ。15日 に野田忠男審議委員が下関市で講演と会見。22日は宮尾龍蔵審議委員 が徳島市で講演と会見。26日に白川方明総裁が神戸市内で開かれる日 本金融学会で講演。翌27日に大阪市内で講演と会見を行う。29日に は9月調査の日銀企業短期経済観測調査(短観)が公表される。

次は非伝統的な政策も

日興コーディアル証券の岩下真理チーフマーケットエコノミスト は短観について「1ドル=83円台(6月調査の大企業製造業の想定為 替レートは90.18円)、日経平均株価の9000円割れを見て、6月時点 では様子見で年度計画を大きく修正しなかった企業でも、下期の下方 修正が見込まれる。企業マインドも足元の改善は続いても、先行き慎 重さが強まる可能性はあるだろう」と指摘する。

金融市場では日銀の次の一手についてさまざまな憶測が出始めて いる。JPモルガン証券の菅野雅明調査部長は、日銀が先月30日の臨 時会合で決定した追加緩和策が「最後の伝統的金融政策手段の発動」 として歴史に残るのではないか、と語る。

菅野氏は「新型オペの期間を6カ月に延長しても、金利の低下余 地は限定的だ。年末から来年初めにかけて世界景気が悪化する中で円 高が進行する場合、日銀は非伝統的手段を発動せざるを得なくなる」 と指摘。選択肢として、①国債買い入れ額の増額②国債以外の資産の 直接または間接的な購入③金融機関が日銀当座預金に保有する超過準 備に課金することによるマイナス金利の導入-を挙げている。

日銀は7日の金融政策決定会合で、長期国債の買い入れ額を月

1.8兆円に据え置いた。議事要旨は10月8日に公表される。白川方明 総裁は午後3時半に記者会見する。

金融政策決定会合、金融経済月報等の予定は以下の通り。

会合開催       総裁会見  金融経済月報  議事要旨
10月4、5日   10月5日     10月6日     11月2日
10月28日       10月28日       -         11月19日
11月15、16日   11月16日     11月17日     12月27日
12月20、21日   12月21日     12月22日     1月28日
1月24、25日   1月25日     1月26日     2月22日
2月16、17日   2月17日     2月18日     3月18日
3月14、15日   3月15日     3月16日     4月12日
4月6、7日   4月7日     4月8日     5月9日
4月28日       4月28日       -         5月25日
5月19、20日   5月20日     5月23日     6月17日
6月13、14日   6月14日     6月15日       未定

総裁会見は午後3時半。金融経済月報は午後2時、経済・物価情 勢の展望(展望リポート)は10月28日と4月28日、議事要旨は午前 8時50分。