ナキールのイスラム債発行、湾岸地域での取引活性化につながる公算

アラブ首長国連邦(UAE)ドバイ 首長国の政府系持ち株会社ドバイ・ワールドの不動産開発子会社、ナ キールの債権者向けイスラム債(スクーク)発行計画は、新規発行が 5年ぶりの低水準に落ち込む中でペルシャ湾岸地域のスクーク取引を 活性化する公算がある。ムーディーズ・インベスターズ・サービスと マシュレク・キャピタルDIFCがこうした見方を示している。

JPモルガン・チェースは先月26日付のリポートで、ナキールが 債務再編策の一環として、請負業者への支払いを目的に期間5年のス クークを最大32億ドル(約2700億円)発行する可能性があると指摘 した。ブルームバーグが集計したデータによれば、ペルシャ湾岸諸国 のスクーク発行は今年24%減少し、25億ドルとなっている。

ムーディーズの上級アナリスト、ハリド・ハウラダー氏(ドバイ 在勤)は5日のインタビューで、ナキールのスクークは「関心を呼び 起こし、ヘッジファンドや債券投資家に取引機会を与えるだろう」と 指摘。マシュレクのアブドゥル・カディル・フセイン最高経営責任者 (CEO)は1日のインタビューで、同地域でのスクーク発行は10- 12月(第4四半期)に持ち直す公算が大きいとの見方を示した。

ナキールは7月14日、銀行債権団が105億ドルの融資と未払い金 をめぐる条件の変更計画について支持したと発表。4月には、営業債 権者に対する債務のうち40%を現金で、60%を売買可能なスクークで 返済する方針を明らかにしている。

UAE最大の建設会社、アラブテック・ホールディング傘下のア ラブテック・コンストラクションのトーマス・バリーCEOは今月2 日のインタビューで、請負業者はナキール債を支払いのために売却す るだろうと指摘。「多くの事業で不払いが発生しているため、どの請負 業者もキャッシュフロー(現金収支)の状態が非常に悪い」と説明し た。

ナキールの広報担当者1人は5日に電子メールで、同社の請負業 者の80%余りが合意しており、スクークは「いずれ発行されるだろう」 と回答した。これ以上の詳細については明らかにしなかった。

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