円金利先物が下落、中期債売りで金利上昇圧力-緩和後退や財政懸念

東京金融取引所のユーロ円3カ月金 利先物相場は下落(金利は上昇)。日米の追加緩和期待の後退や、民主 党代表選への小沢一郎前幹事長出馬を受けた財政拡大懸念で、長期・ 超長期債から中期債まで投資家の売りが広がり、金利上昇圧力が強ま った影響を受けた。

金先の中心限月2011年6月物は前週末比0.015ポイント安い

99.705で取引を始め、午後に0.04ポイント安の99.68(0.32%)と7 月6日以来の安値を付けた。中期債の影響を受けやすい期先限月の11 年12月物は1日の高値99.75からこの日は99.665まで売られた。

市場関係者によると、債券市場で5年債や2年債に売りが強まり、 証券会社が金利スワップや金利先物でヘッジ取引を強めたという。新 発5年債利回りは一時、前週末比5ベーシスポイント(bp)上昇の

0.36%、新発2年債は2.5bp高い0.15%を付けた。5年債にはメガバ ンクの売りが指摘された。

国内大手銀行の短期金利ディーラーは、米国で今週の緩和観測が 後退し、日本も利下げなど過度の緩和期待がはく落したと指摘。前週 から需給懸念で長期・超長期債利回りが上昇していたため、中期債に も売りが広がりやすかったとの見方を示した。

過度の織り込みはく落

8月30日の臨時の日銀金融政策決定会合で新型オペが拡大され たものの、市場では根強い円高圧力を背景に利下げを含む一段の緩和 期待がくすぶっていた。しかし、米国で8月の雇用者数が予想を上回 り、景気懸念が和らいだ。米国の早期緩和期待によるドル安・円高圧 力も一服したため、今週6、7日の定例の日銀会合による追加緩和の 思惑がはく落した。

国内証券のディーラーは、日銀の利下げなど過度の緩和を織り込 み過ぎていた反動が出たという。前週の市場では、新発2年債利回り が0.11%、新発5年債は0.25%まで買われる場面があった。

前週の市場で金利上昇圧力が強まったきっかけは、小沢氏の民主 党代表選への出馬だった。同氏は積極的な財政出動を主張しているた め、国債増発懸念が高まっている。証券会社の担当者によると、トレ ーディング目的で長期・超長期債を買っていた銀行が売りに転じる一 方、機関投資家が中期債を売って利回りが上昇した超長期債に乗り換 える動きも見られたという。

朝日新聞が4、5日に実施した民主党代表選に関する世論調査に よると、どちらが首相にふさわしいかで菅直人氏を挙げた人は65%と、 小沢一郎氏の17%を大きく上回った。一方、市場では小沢氏による積 極的な景気対策への期待が株高を促しているとの見方もあった。

TB入札、4年7カ月ぶり低利回り

一方、財務省が実施した国庫短期証券(TB)6カ月物入札は、 落札利回りが4年7カ月ぶりの低水準を記録した。国内証券のTBデ ィーラーによると、5年債を売っているメガバンクがTBに一時的に 資金を退避させているとの憶測が出ていた。

TB6カ月物134回債の入札結果は、最高利回りが前月比1ベー シスポイント(bp)低い0.1089%、平均利回りは0.8bp低下の0.1089% と、いずれも2006年2月以来の水準。入札後は0.1089%で500億円 程度の取引が成立した。発行額3.5兆円のうち、証券会社を通さず直 接落札したとみられる落札先不明額が1.5兆円程度あった。

短期金融市場では足元資金の余剰感が強まっている。翌日物のレ ポ(現金担保付債券貸借)金利が0.105%付近と、準備預金の付利金 利0.1%に比べて実質的な下限で推移している上、新発TB3カ月物 も0.105%の低水準で、余剰資金を抱えた銀行は運用難になっている。