日本株は4連騰、米雇用不安和らぎ輸出買い-先物巻き戻し

東京株式相場は4連騰。米国の雇用 統計で民間部門雇用者数が予想以上に増えたことやアジア株式市場の 堅調な値動きが好感され、電機など輸出、機械など新興国関連株を中 心に東証1部33業種はすべて高い。

日経平均株価の終値は前週末比187円19銭(2.1%)高の9301 円32銭、TOPIXは15.01ポイント(1.8%)高の838.71。

トヨタアセットマネジメント投資戦略部の浜崎優シニアストラテ ジストは、「雇用統計は株価を戻すほどの材料ではなかったが、マーケ ットは景気後退まで見るなど、行き過ぎていたところがあった」とし、 過剰な弱気相場の修正が起こったとの認識を示した。一方、中国経済 については「不動産関連規制がさらに強化される可能性が低下し、景 気後退懸念は後退している」と言う。

米国の重要な経済統計を波乱なく通過、午後にはアジア株高も加 わり、週明けの日本株は見直し買い、売り方の買い戻しの動きからじ り高傾向となった。株価指数の4連騰は、日経平均が6月16日の5連 騰以来で、TOPIXは7月28日以来。

前週末3日に発表された8月の米雇用統計で、民間部門雇用者は 前月比で6万7000人増えた。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエ コノミストの予想平均値は4万人増。シティグループ証券の村嶋帰一 チーフエコノミストは、労働市場はさえない中で、二番底が差し迫っ ている可能性は低いことを示したとし、「過度の景気悲観論を和らげる には十分な内容だった」と評価している。

「債先売り・株先買い」観測も

米雇用統計を受け、「米景気に対する市場のセンチメントは、かな り悪い方に傾いていたが、中立に戻った」と、三菱UFJ投信運用戦 略部の石金淳シニアストラテジスト。こうした受け止め方は、債券市 場にも広がった。新発10年物利回りは前週末比5ベーシスポイント (bp)高い1.195%まで上昇し、新発10年債としては6月22日以来 の高い水準。一方、東京先物市場の中心限月9月物は下げ幅を広げた。

株式市場の上昇幅が拡大した要因として、「債券先物買い・株式先 物売りのポジション(持ち高)を組んでいた向きの反対売買が出てい る」と、コスモ証券の奥田正彦エクイティ部長は指摘している。

幅広い業種が買われる中で、機械、海運、卸売、鉄鋼など新興国 経済、市場動向に連動しやすい業種、銘柄の上げが顕著だった。水戸 証券の吉井豊投資情報部長は、「中国は減速するとは言っても相対的に 成長率は際立って高く、外需の中でも新興国関連は株価や業績リスク が小さい」と話していた。

米雇用統計は予想ほど悪くなかったものの、米供給管理協会(I SM)が3日に発表した8月非製造業総合景況指数 は前月から低下し、 米景気は楽観できるほどの状況にないことも同時に示されている。

東証1部の売買高は概算で14億8629万株、売買代金は同1兆353 億円。値上がり銘柄数は1460、値下がり116で、全体の88%が高い。

エルピーダ大幅高、SUMCOは反落

個別の材料銘柄では、モバイルDRAMの需給ひっ迫などを評価 し、三菱UFJモルガン・スタンレー証券が新規に投資判断を「1(強 いアウトパフォーム)」としたエルピーダメモリが大幅続伸。2011年 7月期の連結営業利益を前期比16%増と見込む日本駐車場開発は急 伸した。また、東証1部値上がり率上位にはJUKI、ペガサスミシ ン製造、OKKなど中国経済の恩恵を受ける銘柄が多数入った。

半面、価格競争の激化などを背景に下期(10年8月-11 年1月) 業績が減速する見通しとなったSUMCOは反落。JR東日本やJR 東海、ユニ・チャームなどディフェンシブ関連の一角も軟調だった。 東証1部値下がり率上位にはダイハツ工業、ライトオン、ITホール ディングスなどが入った。

新興3市場も高い

国内新興3市場もそろって高い。ジャスダック指数の終値は前週 末比0.6%高の48.18と5日ぶりに反発。東証マザーズ指数は2.2%高 の378.28と続伸、大証ヘラクレス指数は1.4%高の572.65と3連騰。

発行済み株式総数の3.46%に当たる1000株を上限に自社株買い を行うと3日に発表したビジネストラストが大幅高。7月に破たんし たドイツの太陽光発電パネル製造装置メーカーを約10億円で買収す ると6日発表したエヌ・ピー・シーは7日ぶり反発。売買代金上位で は、ユビキタス、サイバーエージェント、クルーズが上げた。

半面、海外製薬会社と新規ミセル化ナノ粒子医薬品製剤のライセ ンス契約締結を先送りする影響で、11年3月期の連結純損益予想を黒 字から赤字に下方修正したナノキャリアは急落した。売買代金上位で は、メガネスーパー、ジアース、ウェッジホールディングスが安い。

--取材協力:池田亜希子 Editor:Shintaro Inkyo、Makiko Asai、Tetsuzo Ushiroyama

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