債券は急落、長期金利2カ月半ぶり1.2%接近-米景気後退懸念が緩和

債券相場は急落。長期金利は2カ月 半ぶり高水準となる1.2%に接近した。前週末の米国市場が景気後退 懸念の緩和で株高、債券安となり、国内債市場も中期から超長期にか けて幅広い年限で売りが膨らんだ。

トヨタアセットマネジメントの浜崎優チーフストラテジストは、 米景気に対する悲観的な見方に修正が入ったことから、株式売り、債 券買いの持ち高を解消する動きが続いているとみており、「10年債が

1.2%に近づいてもなかなかレベル感が働かない」とも言う。

現物市場で新発10年物の310回債利回りは前週末比1.5ベーシス ポイント(bp)高い1.16%で開始。しばらくは1.15-1.16%でもみ合 っていたが、午前の取引終盤以降に再び売りが膨らんだ。午後2時半 前には5bp高の1.195%まで上昇して、新発10年債として6月22日 以来の1.2%台に接近。その後は4bp高い1.185%に上昇幅をやや縮 めている。

新発10年債利回りは8月後半から20bp以上も上昇していたが、 雇用統計発表を受けて米景気の減速懸念が一段と弱まったことを受け、 前週末の米国市場と連動する格好で株高、金利上昇が進展した。大和 住銀投信投資顧問の伊藤一弥国内債券運用第2グループリーダーは、 米景気に対する悲観見通しの修正を余儀なくされる中、8月後半にか けて金利低下が加速した反動が続いているとの見方を示した。

3日発表の米雇用統計では民間部門の雇用が予想以上に伸びたこ とから、米経済がリセッション(景気後退)に逆戻りするとの懸念が後 退。ダウ工業株30種平均が4日続伸するなど主要な株価指数の上昇が 続き、一方、米10年債利回りは8bp高の2.70%付近で引けた。

また、今週は国内で30年債と5年債入札が実施されるほか、米国 ではあすから3年、10年、30年債の入札が続く。RBS証券の徐端雪 債券ストラテジストは、米景気に対する過度の弱気見通しに修正が入 っているほか、今週は日米両国で国債入札が続くなど債券の売り材料 が目白押しだと言い、「投資家が買い控え姿勢を強める中で相場には下 押し圧力がかかりやすい」とみていた。

中期から超長期ゾーンにかけて幅広い年限で売りが膨らんだ。5 年物の90回債利回りは5bp高の0.36%まで上昇して、新発5年債と して7月28日以来の高い水準を付けた。また、20年債や30年債利回 りは午後の取引で一時はいずれも4.5bp上昇となった。

中期債利回りに上昇圧力

8月後半からは長期や超長期ゾーンが金利上昇をけん引して、利 回り曲線はベア・スティープ(傾斜)化の傾向が強まったが、この日 は5年債など中期債利回りにも上昇圧力がかかった。トヨタアセット マネジメントの浜崎氏は、5年債利回りは7月から8月半ばにかけて

0.35%が中心レンジだっただけに、この水準を上抜けるといったん

0.4%台まで上昇する場面もありそうだとみている。

民主党代表選に小沢一郎前幹事長が出馬したことを受け、今後の 財政拡張への懸念が超長期債利回りの上振れを招く一方、金融政策は 内外とも緩和的な傾向が続くとの見通しが中期債の安定を促してきた が、米国で追加緩和の思惑が後退したことなどが売り材料視された。

大和住銀投信投資顧問の伊藤氏は、持ち高圧縮の売りが先行した 長期ゾーンは10年債の1.2%や30年債の2%といった水準が取りあ えず節目として意識されるとした上で、「5年債が0.4%まで上昇すれ ば水準的には調整一巡の雰囲気も広がりそう」との見方を示した。

先物は6月下旬以来の安値圏

東京先物市場の中心限月9月物は前週末比30銭安い141円60銭 で始まり、開始後には141円41銭まで急落した。いったんは141円 68銭まで持ち直したが、その後は日中を通して水準を切り下げた。午 後2時過ぎに再び売りが膨らむと、一時は6月28日以来の安値となる 141円7銭まで急落し、結局は73銭安の141円17銭で終了した。

先物9月物は前週後半から4営業日続落となり、8月25日の日中 高値143円14銭から2円以上も急落した。

現物市場では10年債利回りが1.2%に接近したことで投資家から 打診的に買いが入ったもようだが、先物市場は午後に入って売り圧力 が一段と強まった。JPモルガン証券の山脇貴史チーフ債券ストラテ ジストは、今週中の限月交代前に買い持ち高を圧縮する売りが膨らん だほか、相場の下げトレンドに乗った商品投資顧問(CTA)など売 りが、市場参加者の予想以上の下振れを招いたとの見方を示した。

一方、日本銀行が6、7両日に開催する金融政策決定会合に関す るブルームバーグ・ニュースの調査によると、日銀ウオッチャー15人 の大半が金融政策の現状維持を予想している。

--取材協力:菅野顕一郎 Editors:Hidenori Yamanaka, Masaru Aoki

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