今週の米経済指標:7月の貿易赤字は減少か、景気減速で-9日発表

米国の7月の貿易収支は、景気減 速に伴う輸入減少により赤字幅が縮小した可能性が高いと、エコノミ ストらはみている。

ブルームバーグ・ニュースがまとめた予想中央値によると、商務 省が9日発表する7月の貿易収支は赤字額が470億ドルと、6月の 499億ドルを下回る見込み。6月の赤字増加幅は79億ドルで、過去 最高の伸びだった。

米国では今後数カ月、個人と企業が支出を圧縮する中、輸入品需 要が弱まる可能性がある。一方、国外の経済が成長することで、世界 最大の建設機器メーカー、キャタピラーなどの企業は売上高を伸ばす ことになりそうだ。国内経済が1930年代以降最悪のリセッション (景気後退)からの回復の維持に苦戦する中、製造業の業績を先導す るのは輸出になる公算が大きい。

IHSグローバル・インサイトの米チーフ金融エコノミスト、ブ ライアン・ベシューン氏は「内需の基調が鈍いため、高水準の輸入を 支えることはできない」と指摘。「われわれは輸出が増加に転じ、輸 入が減少し始めるとみている」と語った。

商務省が先月発表した6月の貿易統計は、輸入が大幅に増加した 一方、輸出が減少し、赤字幅が2008年10月以来の高水準に拡大した。

先週は株式相場が上昇した一方、債券相場は下落した。雇用や製 造業の統計の発表を受け、米景気の二番底懸念が和らいだのが背景。 S&P500種株価指数は週間ベースでほぼ2カ月ぶりの大幅高となっ た。

雇用の伸び

労働省が3日発表した8月の民間部門雇用者は前月比6万7000 人増だった。7月分は同10万7000人増に上方修正された。求職者の 増加を受け、失業率は9.6%に上昇した。

キャタピラーは先月、新興市場で売り上げが伸びる中、今年は従 業員を世界全体で最大9000人増やす可能性があると明らかにした。 今年これまでに増やした約1250人は米国内での増員だった。

供給管理協会(ISM)が先週発表した8月の製造業景況指数は 予想に反して上昇。一方、非製造業景況指数は7カ月ぶりの低水準に 低下した。

「不均等な回復」

世界最大の日用品メーカー、プロクター・アンド・ギャンブル (P&G)のボブ・マクドナルド最高経営責任者(CEO)は3日、 ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで「不均等な景気回復 だ」と指摘。その上で「当社の顧客の統計を見れば、米経済が回復し ていることが分かる。世界経済も回復している。当社が目指している のは成長ペースの加速だ」と語った。

世論調査によると、11月の中間選挙を2カ月後に控え、有権者 の最大の関心事は雇用と経済。景気鈍化の兆候が見られる中、オバマ 大統領の支持率が低下した一方、共和党への支持は強まっており、民 主党は上下両院で議席が過半数を割り込む恐れがある。

ブルームバーグ調査によると、労働省が9日発表する先週の失業 保険新規申請件数は47万人と、前週の47万2000人を下回る見込み。 商務省が10日発表する7月の卸売在庫は前月比0.4%増になるとみ られている。6月は0.1%増だった。

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