9月3日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、 商品相場は次の通り。

◎NY外為:ドルと円下落、米民間雇用増でリスク志向

ニューヨーク外国為替市場ではドルと円が主要通貨の大半に対し て下落。8月の米雇用統計で民間部門雇用者数が予想以上に伸びたこ とから、米景気回復が減速しているとの懸念が緩和され、リスク志向 が高まった。

ユーロは対ドルで2週ぶり高値に上昇。8月の非農業部門雇用 者数全体は前月比で減少したが、減少幅はブルームバーグ・ニュース がまとめた予想の約半分にとどまった。カナダ・ドルは主要通貨の中 で値上がり率トップだった。投資家は経済成長国の資産に買いを入れ た。一方、スイス・フランは主要通貨の大半に対して下落。米サービ ス業の伸びが前月から鈍化したことを示す統計が発表されると、円は 下げ渋った。

INGグループの通貨取引ディレクター、ジョン・マッカーシ ー氏は、「市場はこの統計内容を非常に前向きに受け止めている」と 述べ、「リスクに対する投資家心理は目に見えて改善した」と続けた。

ニューヨーク時間午後4時36分現在、ドルは対ユーロで0.5% 下げて1ユーロ=1.2894ドル(前日は1.2825ドル)。週間ベー スでは1%安と、先週に続き下落した。

円は対ドルで0.1%安の1ドル=84円37銭。前日は84円28 銭だった。週間では1%の値上がりとなり、これで3週連続高。円は ユーロに対してはほぼ変わらず1ユーロ=108円33銭(前日は108 円9銭)。

米雇用統計

ユーロは今週、対ドルで過去5週間で最長の4日続伸。米雇用 統計に反応した。

米労働省が発表した8月の雇用統計によると、民間部門雇用者 は前月比で6万7000人増加した。前月は10万7000人増(速報値 は7万1000人増)だった。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエ コノミストの予想平均値は4万人増加だった。

非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)全体は、前 月と同じ5万4000人減。前月の速報値は13万1000人の減少だっ た。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央値 は10万5000人の減少。

カナダ・ドルは1.4%上昇し1ドル=1.0382カナダ・ドル。 ニュージーランド・ドルは対米ドルで0.9%値上がりした。

米国のサービス業活動は伸びが大幅に減速したが、安全逃避先 の円とドルを押し上げる材料にはならず、いずれも主要通貨の大半に 対して下げた。

米供給管理協会(ISM)が発表した8月の非製造業総合景況指 数は51.5と、前月の54.3から低下。ブルームバーグがまとめたエ コノミスト予想の中央値は53.2だった。同指数で50はサービス業 活動の拡大と縮小の境目を示す。

欧州の小売業

スイス・フランは対ユーロで0.9%安の1ユーロ=1.3106フ ラン。

ユーロは朝方、7月のユーロ圏の小売売上高が3カ月連続で増 加したのを手掛かりに上昇した。欧州連合(EU)統計局(ユーロス タット)が発表した7月のユーロ圏小売売上高指数は前月比0.1% 上昇した。

欧州中央銀行(ECB)は前日、ユーロ圏の2010年経済成長 率見通しを1.4-1.8%と、従来の0.7-1.3%から上方修正した。

◎米国株:続伸、雇用統計で景気後退への懸念和らぐ

米株式相場は続伸。S&P500種株価指数は4日連続高となった。 8月の米雇用統計で民間部門の雇用者が予想以上に増加したことから、 米経済が再びリセッション(景気後退)に陥るとの懸念が和らいだ。

JPモルガン・チェースやキャタピラーが大きく上昇。8月の雇 用統計によると、民間部門雇用者は前月比で6万7000人増加した。 オンライン求人・求職サービスのモンスター・ワールドワイドは7% 高。税務処理サービスのH&Rブロックは、第2四半期決算で赤字幅 が縮小したことを手掛かりに買い進まれた。同社はオンラインのライ バル会社、インテュイットが運営するターボタックスからの顧客奪還 を狙っている。この日は金融株が高く、金融株指数はS&P500種の 業種別10指数の値上がり率トップとなった。

S&P500種株価指数は前日比1.3%高の1104.51。4日続伸 は7月以来の最長。週間ベースでは3.8%値上がりした。ダウ工業株 30種平均は127.83ドル(1.2%)上昇の10447.93ドル。

ジョンソン・イリントンで18億5000万ドルの運用に携わるヒ ュー・ジョンソン氏は、「誰もがみな、ひどいニュースと失望に備え ていた。実際にはひどいニュースでもなく、失望もしなかった」と指 摘。「こうした統計の数字を基に8月の二番底入り、もしくはリセッ ション逆戻りを主張するのは非常に難しい」と述べた。

強気なシグナル

S&P500種は前日、50日移動平均を上回って終了した。既存 店売上高や中古住宅販売成約指数といった経済指標を手掛かりに、米 景気回復に対する信頼感が高まり、株価が上昇した。

同株価指数は100日移動平均である1106.27に接近している。 これはテクニカル分析に注目する投資家にとっては、強気なシグナル となる。ブルームバーグのデータによると、同株価指数の200日中央 値は1115.62と、この日の水準を約1%上回っている。S&P500 が200日平均を上回って終了したのは、8月10日が最後。

この日寄り前の時間外取引で、株価指数先物は雇用統計の発表後 に上昇した。同統計で、民間部門雇用者は前月比で6万7000人増加 した。前月は10万7000人増(速報値は7万1000人増)だった。 ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想平均値は4 万人増加だった。非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み) 全体は、前月と同じ5万4000人減。家計調査に基づく8月の失業率 は9.6%に上昇した。労働力人口の増加が影響した。

不安が和らぐ

フィデュシャリー・トラスト(ボストン)のマイケル・マレーニ ー氏は、「経済が自律成長するためには、国民が職場に復帰しなくて はならない」と指摘。「これまでは二番底の可能性が深刻に恐れられ ていたが、現時点ではその不安が和らいでいるようだ。経済指標には 明るいサプライズも出てくるようになっており、これが市場の支えと なるだろう」と述べた。

米供給管理協会(ISM)が8月の非製造業総合景況指数を発表 すると、株価は伸び悩む場面もあった。非製造業総合景況指数は

51.5と、前月の54.3から低下した。ブルームバーグがまとめたエ コノミスト予想の中央値は53.2だった。同指数で50はサービス業 活動の拡大と縮小の境目を示す。

JPモルガンは2.7%高。ゴールドマン・サックス・グループは

5.4%上昇。S&P500種の金融株指数は2.2%値上がりした。

キャタピラーは2.3%高。ゼネラル・エレクトリック(GE)は

1.6%値上がり。

モンスター・ワールドワイドは7%高と、S&P500種の構成銘 柄で値上がり率トップとなった。H&Rブロックは5.8%高。

◎米国債:下落、イールドカーブがスティープ化

米国債相場は下落。8月の雇用統計で民間部門雇用者数の増加幅 が市場予想を上回ったことで、経済が再びリセッション(景気後退) に陥るとの懸念が和らいだ。

10年債と2年債の利回り格差はここ3週間で最大となった。 米連邦準備制度理事会(FRB)による追加刺激策の実施観測が後 退したことが背景。10年債利回りは、このままいけば3日間とし ては昨年12月以来で最大の上昇となる。来週は3年、10年、30 年債の入札(発行総額670億ドル)が実施される。

ジェフリーズ・グループのシニア金利トレーダー、クリスチャ ン・クーパー氏は「脆弱(ぜいじゃく)さを織り込み過ぎた」と指 摘。「これまで発表された経済指標の全般的なトーンに変化が見ら れる。これにより、来週はイールドカーブがスティープ化しそうだ」 と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク 時間午後4時現在、10年債利回りは前日比8ベーシスポイント(b p、1bp=0.01%)上昇の2.71%。同年債(表面利率2.625%、 2020年8月償還)価格は23/32下げて99 1/4。

2年債利回りは2bp上昇し、0.52%。週間では4bp低下 となった。10年債は今週6bp上昇と、2週連続での上げ。

10年債利回りはこの3日間で24bp上昇し、終値ベースでは 昨年12月22日以来の大幅上昇となる。12月22日までの3日間 では、住宅市場の回復の兆候を受けて28bp上げた。

イールドカーブ

10年債と2年債の利回り格差は2.20ポイントに拡大し、イ ールドカーブは終値ベースでは8月12日以降で最もスティープ化 した。

フェデレーテッド・インベストメント・マネジメントの国債・ 住宅ローン担保証券(MBS)担当共同責任者、ドナルド・エレン バーガー 氏は、「短期債の利回りがFRBの政策で抑えられており、 イールドカーブのスティープ化が多少見られる」と指摘した。

8月の雇用統計によると、民間部門雇用者は前月比で6万 7000 人増加した。前月は10万7000人増だった。ブルームバー グ・ニュースがまとめたエコノミストの予想平均値では、8月は4 万人増加だった。

非農業部門雇用者数全体では、前月と同じ5万4000人減。失 業率は9.6%(前月9.5%)に上昇した。

PIMCOの見方

米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMC O)のマネジングディレクター、ポール・マカリー氏は、8月の雇 用統計で民間部門の雇用が予想以上に増加したことで、米連邦公開 市場委員会(FOMC)が今月、追加的な量的緩和策を取る確率は 低下したと述べた。

同氏は、ブルームバーグテレビジョンのインタビューで、「F RBはひと安心できる」とした上で、「追加の量的緩和に動かなけ ればならないような強いプレッシャーはない」と付け加えた。

◎NY金:下落、雇用統計受けた株高で逃避需要が後退-1251.10ドル

ニューヨーク金先物相場は反落。株が上昇したことで、安全への逃 避先としての金への需要が後退した。

8月の米民間雇用者数の増加幅が予想を上回ったことを手掛かり に米国株が上昇し、週間ベースでは4週間ぶりのプラスとなった。8 月には、S&P500種株価指数は月間ベースで4.7%下げた一方、 金は5.6%上昇した。

プロスペクター・アセット・マネジメントのレナード・カプラン 社長は、「株が上昇しているため、金が下げている」と指摘。「投資 資金が金から株に流れている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 相場12月限は前日比2.30ドル(0.2%)安の1オンス=1251.10 ドルで取引を終了した。

◎NY原油:反落、米非製造業景況指数の低下で売り優勢に転じる

ニューヨークの原油先物相場は反落。8月の米非製造業景況指数が 7カ月ぶりの低水準となり、米経済の成長ペースが鈍化するとの懸念が 高まった。

米供給管理協会(ISM)が発表した8月の非製造業総合景況指 数は51.5と前月の54.3から低下し、1月以来の最低を記録。これ を手掛かりに原油は下げに転じた。それより前には、8月の米民間雇 用者数の増加幅が予想を上回ったことで、相場は上昇していた。

エネルギー関連の商品に重点を置くヘッジファンド、アゲイン・ キャピタルのパートナー、ジョン・キルダフ氏(ニューヨーク在勤) は、「在庫水準や経済情勢を考えれば、相場は依然としてかなり高い」 と指摘。「景気見通しはひいき目に見ても強弱まちまちだ」と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物10月限は前 日比42セント(0.56%)安の1バレル=74.60ドルで取引を終了。 週間ベースでは0.8%下落した。

◎欧州株:上昇、週間でほぼ2カ月ぶり大幅高、米雇用統計を好感

欧州株式相場は上昇。ストックス欧州600指数は週間ベースでほ ぼ2カ月ぶりの大幅高となった。8月の米民間雇用者数の伸びが予想を 上回ったことで、米景気の回復足踏みへの懸念が緩和された。

米雇用統計の発表後、クレディ・スイス・グループとBNPパリ バが上昇し、銀行株価指数の上げをけん引。英・オーストラリア系リ オ・ティントなど資源株も上昇した。アグレコは5.5%高。同社が 買収案の提示を受けていないと述べたことを手掛かりに買われた。

ストックス欧州600指数は前日比0.9%高の260.4と、8月9 日以来の高値で取引を終了した。週間ベースでは3.7%高と、7月 9日以来の大幅高。米国と中国の経済指標で製造業活動の伸びが示さ れたことで、投資家が安心感を取り戻したことが背景となった。スト ックス欧州600依然、4月に付けた年初来の高値は4.3%下回って いる。

シュローダー・インベストメント・マネジメント(ロンドン)で 約19億ドル相当の資産運用に携わるアンディ・リンチ氏は、「この 日の雇用統計の数字ははっきりと予想を上回り、懸念が強まっていた 市場で好感された」と指摘。「米国の債務は消えてなくならず、景気 回復も疑問視されており、短期的な相場反発に終わる可能性もある」 と語った。

米労働省が3日に発表した8月の雇用統計によると、政府関連を 除いた民間部門雇用者は前月比で6万7000人増加した。前月は10 万7000人増に上方修正された。ブルームバーグ・ニュースがまとめ たエコノミストの予想平均値は4万人増加だった。非農業部門雇用者 数全体は、前月と同じ5万4000人減。家計調査に基づく8月の失業 率は9.6%に上昇した。

クレディスイスは3.2%高。仏銀最大手のBNPパリバは

1.9%上昇した。ストックス欧州600指数を構成する19業種のうち、 銀行株価指数の上げが最大となった。

リオ・ティントは1.5%高。同業のBHPビリトンも上昇した。

◎欧州債:独10年債利回り、3週ぶり高水準-米雇用統計に反応

欧州債市場ではドイツ国債相場が下落し、10年債利回りは3週間 ぶり高水準となった。この日発表された米雇用統計で民間部門雇用者が 予想以上に増加し、株価が値を戻したことから、安全資産としての国債 需要が後退した。

独30年債相場も下落した。同利回りは先月、過去最低を付けて いた。8月の米国の民間部門雇用者は前月比で6万7000人増加した。 ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想平均値は4 万人増加だった。同日に発表されたユーロ圏の製造業とサービス業の 活動を示す指数の改定値では速報値から引き上げられた。

コメルツ銀行(フランクフルト)の金利ストラテジー共同責任者、 クリストファー・リーガー氏は、「統計自体は弱い数字だが、ずっと 悪い内容が予想されていたため、国債利回りは上昇した」と述べ、 「利回りは極端な水準にある。ここから一段と下げるには本当にひど い統計が必要だ」と続けた。

ロンドン時間午後4時38分現在、独10年債利回りは前日比7 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.36%。一時は

2.37%まで上げ、8月19日以来の高水準となった。同国債(表面利 率2.25%、2020年9月償還)価格は0.655ポイント下げ99.055。

2年債利回りは3bp上昇の0.65%。30年債利回りは10bp 上げ2.97%となった。

マークイット・エコノミクスが3日発表したサービス業と製造業 の活動を示すユーロ圏総合景気指数の8月改定値は56.2と、8月 23日発表の速報値56.1から引き上げられた。7月の56.7からは低 下した。同指数は50を超えると生産活動の拡大を示す。

◎英国債:10年債、週間で約1カ月ぶりの下落-株高で需要後退

英国債市場では10年債相場が下落し、週間ベースで約1カ月ぶり にマイナスとなった。株高で安全資産とされる国債の需要が後退した。

10年債利回りは2週間ぶりに3%を突破した。この日発表され た米雇用統計で、8月の民間部門雇用者数が予想以上に増加したこと で米国がリセッション(景気後退)に逆戻りするとの懸念が和らぎ、 英国債相場は下げ幅を拡大した。

クレディ・アグリコルCIBの金利ストラテジスト、ピーター・ チャットウェル氏は、英国債相場は「米国市場の動向に追随している ため、売りを浴びた」と述べた。

ロンドン時間午後4時45分現在、10年債利回りは前日比5ベー シスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の3.01%。先月25日 には2.79%まで下げ、ブルームバーグがデータ収集を開始して以来 の最低を付けた。前週末比では10bp上げ、7月23日終了週以来で 初の上昇となった。2年債利回りは前日比1bp上昇の0.72%。

英株式の指標であるFT100種指数はこの日、1.1%上昇した。 週間では7月9日終了週以降で最大の上げとなった。ストックス欧州 600指数も高い。

米労働省が3日に発表した8月の雇用統計によると、民間部門 雇用者は前月比で6万7000人増加した。前月は10万7000人増。 ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想平均値は4 万人増加だった。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 楽山 麻理子 Mariko Rakuyama +1-212-617-4903 mrakuyama@bloomberg.net Editor: ニューヨーク 名子 知子 Tomoko Nago-Kern +1-212-617-2407 tnagokern@bloomberg.net Editor: Akiko Nishimae 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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