アトランタ連銀総裁:FOMCはFRB資産の拡大示唆せず

アトランタ連銀のロックハート総 裁は、先月の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合での証券保有額 を一定水準に維持する決定について、米連邦準備制度理事会(FRB) はバランスシートの拡大を計画しているとのシグナルを発したわけで はないと指摘した。また、米国の景気は引き続き「緩やかな回復軌道」 にあるとの認識を示した。

ロックハート総裁は3日、テネシー州ジョンソンシティーで講演。 講演原稿によれば同総裁は、「この変更は必ずしも、FRBのバラン スシートが膨張局面に入る前触れにはならないはずだ」と言及。「ま たこの決定は同時に、バランスシート縮小を容認する政策への回帰を 不可能にするものでもない」と加えた。

この日発表された8月の米雇用統計では、雇用市場の緩慢な回復 状況が浮き彫りになった。民間部門雇用者は前月比で6万7000人増 にとどまり、失業率は9.6%に上昇した。ロックハート総裁は失業 について、「高水準」だと指摘。失業率に関する自身の見通しは、 「ゆっくり」と低下しそうだという見方から変わっていないと述べた。

FOMCは3週間前に、住宅ローン担保証券(MBS)の償還金 を米国債に再投資することで、証券保有残高を2兆500億ドル(約 173兆1600億円)で維持する方針を決定した。

ロックハート総裁はバランスシートの水準をめぐる決定について、 「金融システムへの流動性供給の水準を維持するための小規模な戦術 的変更」だと説明した。

景気認識

景気の現状についてロックハート総裁は、「私が見る限り、景気 はいくらか減速しているが、なおも緩やかな回復軌道にある」と指摘。 「このところ見られる景気の弱さは、回復が政府の刺激策から民間需 要の改善によるものへと変化しつつあるときに起こる不安定で、時に まだら模様となる移行を反映したものだ。経済は一時的な下振れを経 過中、というのが私の見方だ」と述べた。

また、一部のエコノミストや企業関係者は米国の景気見通しにつ いて悲観的になり過ぎていると指摘。「景気は特定のファンダメンタ ルズにおいて改善が続いており、ショックに対する防御力も引き続き 強まっている」と語った。また「金融システムの修復は続いている。 信用アクセス改善の兆候も見られる。家計では債務の減少が続き、企 業も回復力を増している」と続けた。