今日の国内市況:日本株は3日続伸、債券続落-円は84円台前半

日本株相場は3日続伸。住宅関連統 計など市場予想を上回る米国経済指標の発表が相次ぎ、米景気腰折れ に対する過度の懸念が和らいだ。電機や輸送用機器、化学、機械など 輸出関連株が上昇。海外商品市況の上昇を受け、鉱業や非鉄金属など 資源関連株も高い。

ただ、米国時間3日発表の雇用統計の内容を見極めようと、為替 市場でドルの戻りが鈍く、円高再燃への根強い警戒から相場全般の上 値は限定的だった。政局要因などで、国内の長期金利が上昇している 点も投資家が様子見姿勢を強めた一因。日経平均株価の終値は前日比 51円29銭(0.6%)高の9114円13銭。TOPIXは同4.28ポイン ト(0.5%)高の823.70。

全米不動産業者協会が2日発表した7月の中古住宅販売成約指数 は前月比5.2%上昇、ブルームバーグによるエコノミスト予想の中央 値1%低下を大きく上回ったため、米住宅市場の底打ち期待が広がっ た。8月31日のS&P/ケース・シラー住宅指数、9月1日の米供給 管理協会(ISM)の製造業景況指数など、今週の米国では市場予想 を上回る重要経済指標が相次ぎ、投資家の過度の悲観を後退させた。

投資家の悲観度を映すシカゴ・オプション取引所(CBOE)の ボラティリティ指数(VIX)は、2日の取引まで3日連続で低下し、

23.19と8月10日以来の低水準となった。米国株はやや持ち直してお り、2日の取引ではS&P500種株価指数が8月10日以来、約1カ月 ぶりに投資家の短中期的な売買コストの25日移動平均線を上回った。

直近の下落相場の要因だった米景気不安の後退を受け、東京市場 では朝方から輸出関連株中心に買いが先行。TOPIXの上昇寄与度 上位には電機、自動車、化学、機械などが入った。東証33業種の値上 がり率上位は、海外商品相場の上昇を受けた鉱業や非鉄のほか、化学、 不動産、鉄鋼、機械など。

ただ、為替相場ではドルの戻りが鈍かった。東京時間3日は1ド ル=84円10-40銭台で推移。前日の日本株取引の終了時点は同84円 23銭。米雇用統計の発表を控え、ドルを積極的に買う向きは限られた。 ブルームバーグがまとめた予想によると、8月の民間部門雇用者数は 非農業部門雇用者数全体では10万5000人の減少と、3カ月連続の減 少が予想されている。前回は13万1000人の減少。

また、ここに来て株式市場で徐々に材料視され始めたのが、民主 党代表選の行方。代表選に出馬する小沢一郎前幹事長は、昨年の衆院 選マニフェスト(政権公約)を実行するとみられ、財政拡大観測が高 まっている。長期金利は3日の取引で一時1.15%と7月以来の高水準 に戻した。

この日の日本株は、米景気不安の後退から買い優勢でスタート。 日経平均は午前に一時78円高の9141円まで上昇したが、次第に伸び 悩み、午後は小幅下落に転じる場面もあった。東証1部の売買代金は 1兆137億円と、前日の1兆1418億円から11%減少した。

債券続落

債券相場は続落。景気減速懸念が緩和したことを手掛かりとした 米国の株高、債券安の流れが続いた。この日の流動性供給入札が低調 な結果となったほか、民主党代表選に小沢一郎前幹事長が立候補した ことに伴い、今後の財政拡張への懸念がくすぶっていることも超長期 ゾーンの金利上振れへの警戒感を残した。

現物市場で新発10年物の310回債利回りは前日比0.5ベーシスポ イント(bp)高い1.11%で始まり、直後に売りが優勢となると1.13% まで上昇した。その後いったんは1.105%まで戻していたが、午後に 再び売りが膨らむと一時は1.15%を付け、新発10年債として7月12 日以来の高水準を記録。その後は1.125-1.145%で推移した。

2日の米国市場で株高、債券安が進展したことが国内債市場でも 売り材料視された。米国では新規失業保険申請件数の減少や7月の中 古住宅販売成約指数が上昇したことから過度な景気減速に対する懸念 が和らぎ、ダウ工業株30種平均など主要な株価指数が続伸。一方、米 国債市場では米10年債利回りが5bp高の2.62%付近で引けた。

超長期ゾーンでは再び値幅が拡大した。20年物の120回債利回り は朝方の売りをこなすといったんは2bp低下の1.80%を付けたが、午 後に再び売りが膨らむと一時は6bp高の1.88%まで切り上がった。民 主党代表選挙に出馬した小沢氏が昨年の衆院選マニフェスト(政権公 約)実現を打ち出しているため、市場では今後の財政拡張が意識され ている。

財務省が3日に実施した流動性供給入札(77回、3000億円)の結 果は、最高利回り較差が0.073%、平均利回り較差は0.006%にそれぞ れ上昇。応札倍率は1.45倍と同入札では最低となった。同入札の対象 銘柄は20年国債で84回-115回債、30年国債では4回-31回債。

東京先物市場の中心限月9月物は前日比4銭高い142円25銭で開 始。直後にこの日の高値142円30銭を付けたが、その後しばらくは 142円10銭付近での推移となり、午後に再び売りが膨らむと一時は38 銭安の141円83銭まで下落した。取引終盤には142円割れでの小動き が続き、結局は8月6日以来の安値圏となる141円90銭で引けた。

一方、東京時間の今晩に発表される米雇用統計が注目されている ため、午後に一段安となった後は動意の乏しい展開となった。ブルー ムバーグ・ニュースがまとめた市場予想によると、8月の非農業部門 雇用者数は前月比10.5万人減が見込まれており、3カ月連続で雇用者 数の減少が続く公算が大きいとみられている。

円が底堅い

東京外国為替市場では円が底堅く推移した。海外時間に注目の米 雇用統計の発表を控えて、予想を下回った場合にリスク回避に伴う円 高圧力が再燃するとの懸念が円を下支えした。

ドル・円相場は1ドル=84円台前半で小動きだったが、午後にか けては一時、84円17銭まで円がじり高となる場面が見られた。

ユーロ・円相場も1ユーロ=108円台前半中心の展開ながら、一 時、108円を割り込むなど円が底堅く推移した。

ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.2820ドル付近でほぼ横ばい状態。 米雇用統計の結果を見極めようと、様子見姿勢を決め込む向きが多か った。

ブルームバーグ・ニュースが実施したエコノミスト調査によれば、 8月の米雇用統計では非農業部門雇用者数が前月比10万5000人減少 すると予想されている。また、8月の失業率は9.6%と、前月の9.5% から悪化するとみられている。

2日の海外市場では、米国で発表された7月の中古住宅販売成約 指数が予想外に上昇したことや先週分の新規失業保険申請件数が減少 したことなどが好感され、米株式相場が続伸。投資家のリスク回避姿 勢の緩和が意識されるなか、外国為替市場では低金利で調達通貨とさ れる円やドルに売り圧力がかかる場面が見られた。

また、米長期金利の上昇を手掛かりにドル・円は一時、84円56 銭までドル買い・円売りが進行。ただ、その動きも続かず、その後は 84円台前半でもみ合う展開となった。

3日の東京株式相場は3日続伸となったが、米雇用統計を控えて、 円高再燃への警戒が根強いなか、上値は重く、午後には一時、小幅安 に転じる場面も見られた。