日本株は輸出株中心に3連騰、米住宅指標落ち着きと商品高

日本株相場は3日続伸。住宅関連統 計など市場予想を上回る米国経済指標の発表が相次ぎ、米景気腰折れに 対する過度の懸念が和らいだ。電機や輸送用機器、化学、機械など輸出 関連株が上昇。海外商品市況の上昇を受け、鉱業や非鉄金属など資源関 連株も高い。

ただ、米国時間3日発表の雇用統計の内容を見極めようと、為替市 場でドルの戻りが鈍く、円高再燃への根強い警戒から相場全体の上値は 限定的だった。政局要因などで、国内の長期金利が上昇していることも 投資家が様子見姿勢を強めた一因。日経平均株価の終値は前日比51円 29銭(0.6%)高の9114円13銭。TOPIXは同4.28ポイント (0.5%)高の823.70。

楽天投信投資顧問の大島和隆最高経営責任者(CEO)は、「政局 や円高の影響で月内に日経平均8000円割れもあると考えている」と言 う。民主党代表選挙に絡んだ財政拡大懸念から国内の長期金利は上昇し ており、「日米金利差の縮小から、さらに円高に進む可能性がある」と 警戒姿勢を崩していなかった。

全米不動産業者協会が2日発表した7月の中古住宅販売成約指数は 前月比5.2%上昇、ブルームバーグによるエコノミスト予想の中央値の 1%低下を大きく上回ったため、米住宅市場の底打ち期待が広がった。 8月31日のS&P/ケース・シラー住宅指数、9月1日の米供給管理 協会(ISM)の製造業景況指数など、今週の米国では市場予想を上回 る重要経済指標が相次ぎ、投資家の過度の悲観を後退させた。

VIX示す落ち着き

投資家の悲観度を映すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボ ラティリティ指数(VIX)は、2日の取引まで3日連続で低下し、

23.19と8月10日以来の低水準となった。米国株はやや持ち直してお り、2日の取引ではS&P500種株価指数が8月10日以来、約1カ月 ぶりに投資家の短中期的な売買コストの25日移動平均線を上回った。

野村証券金融経済研究所の若生寿一シニアストラテジストは、「米 国景気に対する過度に悲観的な見方が一服している。相場は総悲観だっ たが、今週に入り薄日が差し始めた」との見方だ。

直近の下落相場の要因だった米景気不安の後退を受け、東京市場で は朝方から輸出関連株中心に買いが先行。TOPIXの業種別上昇寄与 度上位には電気機器、輸送用機器、化学、機械などが入った。33業種 の値上がり率上位は、海外商品相場の上昇を受けた鉱業や非鉄金属のほ か、化学、不動産、鉄鋼、機械など。

米雇用統計控え為替不安は残る

ただ、為替相場ではドルの戻りが鈍かった。東京時間3日は1ドル =84円10-40銭台で推移。前日の日本株取引の終了時点は同84円23 銭。米雇用統計の発表を控え、ドルを積極的に買う向きは限られた。ブ ルームバーグがまとめた予想によると、8月の民間部門雇用者数は非農 業部門雇用者数全体では10万5000人の減少と、3カ月連続の減少が予 想されている。前回は13万1000人の減少。

また、ここに来て株式市場で徐々に材料視され始めたのが、民主党 代表選の行方。代表選に出馬する小沢一郎前幹事長は、昨年の衆院選マ ニフェスト(政権公約)を実行するとみられ、財政拡大観測が高まって いる。新発10年物の310回債利回りは3日の取引で1.15%と、7月12 日以来の高水準に戻した。

この日の日本株は米景気不安の後退から買い優勢でスタート。日経 平均は午前に一時78円高の9141円まで上昇したが、次第に伸び悩み、 午後は小幅安に転じる場面もあった。東証1部の売買代金は1兆137億 円と、前日の1兆1418億円から11%減少した。

クレハが4日ぶり急反発

個別では、機能製品分野で需要が回復し、4-9月(上期)の連結 営業利益予想を13億円から24億円に85%引き上げたクレハが4営業 日ぶりに大幅反発。スペインのエネルギー企業と組み、太陽熱発電事業 に参入する、と発表した日揮が3日続伸。

半面、ナショナルブランド商品の販売が低迷し、8月の既存店売上 高が前年同月比8.9%減となったエービーシー・マートが年初来安値を 更新。5-7月の連結営業利益は前年同期比46%増となったが、猛暑 効果がなくなれば消費環境は依然厳しいとして、前期比6%増益の 2011年4月通期計画を据え置いた伊藤園、転換社債型新株予約権付社 債(CB)を発行すると発表した日本電産はともに3日ぶりに下落。

新興市場はまちまち。ジャスダック指数は前日比0.2%安の47.88、 東証マザーズ指数は同1.7%高の370.11、大証ヘラクレス指数は同

0.6%高の564.64。個別では、新戦国時代創生ゲームを「モバゲータウ ン」に提供すると発表したジー・モードが4日ぶり大幅反発。サイバー エージェント、スタートトゥデイ、ミクシィなどのネット関連株が上昇 した。半面、セイクレスト、プロパストなどの不動産株が下げた。