債券は続落、長期金利一時1.15%-米景気懸念緩和や流動性入札低調で

債券相場は続落。景気減速懸念が緩 和したことを手掛かりとした米国の株高、債券安の流れが続いた。こ の日の流動性供給入札が低調な結果となったほか、民主党代表選に小 沢一郎前幹事長が立候補したことに伴い、今後の財政拡張への懸念が くすぶっていることも超長期ゾーンの金利上振れへの警戒感を残した。

岡三アセットマネジメントの山田聡債券運用部長は、米景気に対 する悲観見通しに修正が入ったことで、国内債市場は一貫して金利低 下が進んだ反動が出ていると言い、「民主党代表選も材料となる中でし ばらくは超長期中心に振れの大きい展開が続く」と話した。

現物市場で新発10年物の310回債利回りは前日比0.5ベーシスポ イント(bp)高い1.11%で始まり、直後に売りが優勢となると1.13% まで上昇した。その後いったんは1.105%まで戻していたが、午後に 再び売りが膨らむと一時は1.15%を付け、新発10年債として7月12 日以来の高水準を記録。その後は1.125-1.145%で推移している。

2日の米国市場で株高、債券安が進展したことが国内債市場でも 売り材料視された。米国では新規失業保険申請件数の減少や7月の中 古住宅販売成約指数が上昇したことから過度な景気減速に対する懸念 が和らぎ、ダウ工業株30種平均など主要な株価指数が続伸。一方、米 国債市場では米10年債利回りが5bp高の2.62%付近で引けた。

超長期ゾーンでは再び値幅が拡大した。20年物の120回債利回り は朝方の売りをこなすといったんは2bp低下の1.80%を付けたが、午 後に再び売りが膨らむと一時は6bp高の1.88%まで切り上がった。

民主党代表選挙に出馬した小沢氏が昨年の衆院選マニフェスト (政権公約)実現を打ち出しているため、市場では今後の財政拡張が 意識されている。大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥国内債券運用第2 グループリーダーは、少なくとも代表選投開票と20年債入札がぶつか る14日まではボラティリティ(変動率)の高い状態が続き、超長期債 利回りは折に触れ上振れしやすい地合いだとみていた。

また、午後に長期や超長期ゾーンが売られた要因として、RBS 証券の徐瑞雪債券ストラテジストは、「流動性供給入札の結果が弱かっ たことの影響がある」との見方を示した。

財務省が3日に実施した流動性供給入札(77回、3000億円)の結 果は、最高利回り較差が0.073%、平均利回り較差は0.006%にそれぞ れ上昇。応札倍率は1.45倍と同入札では最低となった。同入札の対象 銘柄は20年国債で84回-115回債、30年国債では4回-31回債。

来週の10年債は1.1%中心の推移か

市場関係者の間では、来週の10年債利回りは1.1%を中心とした 展開が見込まれている。岡三アセットマネジメントの山田氏は、米景 気に対する見通し修正や民主党代表選への小沢氏出馬などがきっかけ となって、長期や超長期ゾーンのボラティリティが高まったと言い、 「短期的には大手銀などの持ち高圧縮が続きやすく、10年債は1.1% 中心ながらもやや上振れ気味に推移しそう」だとみる。

大和住銀投信投資顧問の伊藤氏は、10年債利回りは年度初めの

1.4%から先週の0.9%割れまで約50bp低下したため、テクニカル面 からは半値戻しの水準である1.15%がめどになると指摘。その上で、 「今晩の米雇用統計が弱ければ1.1%台での金利上昇余地は小さいは ずだが、超長期債ゾーンの振れ次第では1.20%も視野に入る」とみる。

8日に30年利付国債、10日には5年債入札実施が予定されてお り、市場では30年債の入札に対する警戒感が強い。小沢氏の民主党代 表選出馬によってにわかに財政拡張が意識され始めており、今回は表 面利率(クーポン)が32回債の2.3%から引き下げられる見通しであ ることもあって、投資家の買い控えを予想する見方が多い。

一方、5年債入札ではクーポンが0.3%に据え置かれる見通しだ が、大手銀行を中心に潜在的な需要は旺盛とみられている。

先物終値は1カ月ぶり安値圏

東京先物市場の中心限月9月物は前日比4銭高い142円25銭で開 始。直後にこの日の高値142円30銭を付けたが、その後しばらくは 142円10銭付近での推移となり、午後に再び売りが膨らむと一時は38 銭安の141円83銭まで下落した。取引終盤には142円割れでの小動き が続き、結局は8月6日以来の安値圏となる141円90銭で引けた。

先物9月物は8月31日の取引で143円ちょうどまで上昇したもの の、その後は軟調な地合いが続いており、前日の米国市場が株高、債 券安となった流れを引き継いで売りが先行した。

一方、東京時間の今晩に発表される米雇用統計が注目されている ため、午後に一段安となった後は動意の乏しい展開となった。ブルー ムバーグ・ニュースがまとめた市場予想によると、8月の非農業部門 雇用者数は前月比10.5万人減が見込まれており、3カ月連続で雇用者 数の減少が続く公算が大きいとみられている。

--取材協力:池田祐美 Editors:Hidenori Yamanaka,Hidekiyo Sakihama

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