4-6月期の設備投資は減少率大幅縮小、GDP上方修正も

今年4-6月期の国内企業の設備投 資額は、前年同期比で13四半期(3年3カ月)連続のマイナスとなっ たものの、減少率は大幅に縮小した。アジアを中心とした輸出回復や 景気刺激策の後押しで好調な個人消費を背景に企業収益の改善が続い ており、設備投資にも回復効果が波及。これを受け、4-6月期の国 内総生産(GDP)2次速報は上方修正される可能性が出ている。

財務省が3日発表した4-6月期の法人企業統計によると、全産 業の設備投資額(金融・保険業除く)は前年同期比1.7%減の8兆3648 億円となった。減少率は前期(1-3月)の11.5%減から大幅に縮小。 ソフトウエアを除いた額も同1.5%減(前期12.9%減)と、ともに3 四半期連続で減少率が改善。ソフトウエアを除いた額は季節調整済み で同6.4%増と9期ぶりに増加に転じた。

法人企業統計は資本金1000万円以上の企業を対象に3カ月ごと に調査、集計。主要企業の設備投資や売上高、経常利益の足元の動向 をとらえている。なかでもソフトウエアを除いた設備投資額は、内閣 府が10日に発表する4-6月期のGDP2次速報に反映される。

みずほ証券の土山直樹マーケットエコノミストは発表を受けたリ ポートで、「2次速報の実質民間企業設備は前期比2.5%増となり1次 速報(同0.5%増)から上方修正される」と予想。その上で、実質G DPは年率で同1.5%程度と1次速報値(同0.4%増)を大幅に上回る 可能性を指摘している。

アールビーエス証券の西岡純子チーフエコノミストも、「2次速報 は年率で2%超えの上方修正となるだろう。第2四半期については、 少なくとも底堅い回復だった」と述べた。ただ、先行きは「円高の影 響が出てくるほか、政策の手詰まり感や株安から減速感が強まる」と の見方を示した。

売上高、利益とも増加

ブルームバーグ・ニュースのエコノミスト調査では、ソフトウエ アを含む設備投資額の予想中央値は前年同期比6.5%減、除いた額は 同5.9%減で、実績の減少率は予想を上回る縮小となった。

設備投資の増加に寄与したのは、製造業では情報通信機器、非製 造業ではサービス業や不動産業だった。一方で、9月末のエコカー補 助金制度終了に伴う需要減や欧米の景気後退など国内外の先行き不透 明感から自動車をはじめとした輸送用機器や業務用機械の設備投資は 減少した。

一方、経常利益は自動車の国内外の需要増に加えて薄型テレビや エアコンなど電気機械が好調なことから前年同期比83.4%増と3期 連続で増益。売上高は同20.3%のプラスとなり、2期連続の増収とな った。

みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは統計発表 後、「企業活動は引き続き回復途上にあることが示された。損益分岐点 や労働分配率は一頃に比べて低下している」と分析。ただ、「設備投資 の動きが基本的には鈍いことなど、本格的な回復からは程遠い状況に とどまっている」との見方を示した。

財務省は「売上高、経常利益が引き続き前年比増となっているほ か、設備投資の前年比減少幅も縮小しており、法人企業の動向は改善 がみられる」と指摘。一方で、先行きについては円高の進行や海外経 済の減速懸念で下振れリスクが高まっていることから「引き続き注視 する」としている。

--取材協力: Minh Bui, Theresa Barraclough、氏兼敬子 Editor: Norihiko Kosaka, Hitoshi Ozawa

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