米国債:10年債は続落、中古住宅成約指数の上昇で

米国債市場では、10年債が7月 以来で初めて続落となった。7月の中古住宅販売成約指数が上昇した ことで、比較的安全な国債への需要が後退した。

10年債と2年債の利回り格差は拡大。あす3日発表の雇用統計 を前に、景気回復の失速懸念が和らいだことが背景にある。米財務省 は2日、10年物インフレ連動債(TIPS)の入札を実施。来週に は3年、10年、30年債の入札(発行総額670億ドル)を実施する。

モルガン・スタンレー・スミス・バーニーの債券ストラテジスト、 ケビン・フラナガン氏は、「市場は完全織り込み済みの兆候を示して おり、地合いはやや弱い。これまでのような上昇を維持するためには、 市場には経済活動の低下が続いていることを示唆する情報が必要だ」 と加えた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時10分現在、10年債利回りは前日比5ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)上昇の2.62%。同年債(表面利率

2.625%、2020年8月償還)は、13/32下げて100。

2年債利回りは1bp未満下げて0.50%。30年債利回りは6 bp上げて3.71%。

10年債と2年債の利回り格差は2.12ポイントに拡大した。

米国債の変動性

米国債のボラティリティ(変動性)は今週、3カ月ぶり高水準に 達した。償還年限2-30年の米国債の店頭オプション価格を基にし たボラティリティの指数であるバンク・オブ・アメリカ(BOA)メ リルリンチのMOVE指数は、1日に110.10と、6月1日以来の 水準に上昇した。

この日の10年物TIPS入札では、投資家の需要を測る指標の 応札倍率は2.80倍となった(過去10回の入札の平均は2.62倍)。 最高落札利回りは1.019%と過去最低。前回入札(7月8日)は

1.295%だった。

ジェフリーズ・グループの政府債エコノミスト、トーマス・サイ モンズ氏は顧客向けリポートで、「この1年間、発行ペースの大きな 加速やTIPSへの関心がほとんど高まらないような物価環境にもか かわらず、TIPS相場はかなり目立って活気づいてきた」と指摘し た。

TIPS

10年債と同年限のTIPSの利回り格差は、この日1.62ポイ ントに拡大した。8月25日には年初来最小の1.47ポイントを付け た。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの指数によれば、 TIPSの年初来のリターンは5.9%。米国債全体では8.2%。

財務省はこの日、3年債(330億ドル)、10年債(210億ド ル)、30年債(130億ドル)の入札を来週実施すると発表した。発 行総額670億ドルは、この3つの年限の組み合わせとしては09年 7月以降で最少。8月は740億ドル、2月は過去最高に並ぶ810億 ドルだった。

全米不動産業者協会(NAR)が2日に発表した7月の中古住宅 販売成約指数(季節調整後)は前月比5.2%上昇した。ブルームバ ーグがまとめたエコノミスト調査の予想中央値は1%低下だった。