今日の国内市況:日本株が続伸、債券続落、円が反発

日本株相場は続伸し、日経平均株価 は終値で3日ぶりに9000円を回復した。米国で1日に発表された8月 の米供給管理協会(ISM)の製造業景況指数が市場予想を上回り、 米景気に対する過度の懸念が和らいだ。電機や輸送用機器、化学、精 密機器といった輸出関連株が上昇。海外の商品市況高を好感し、鉱業 や非鉄金属株も高い。

ただ、米国で週末に発表される雇用統計や国内の政局動向を見極 めようとする雰囲気から、先物主導の展開となる場面も目立ち、午後 は荒っぽさも見せた。日経平均株価の終値は前日比135円82銭(1.5 %)高の9062円84銭。TOPIXは同8.02ポイント(1%)高の

819.42。東証1部33業種は石油・石炭、パルプ・紙を除く31業種が 高い。

ISMが発表した8月の製造業景況指数は56.3と前月の55.5か ら上昇、ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中 央値52.8を上回った。同指数は、50が製造業活動の拡大と縮小の境 目を示す。米景気の二番底リスクへの警戒感が遠のき、1日の米株式 相場はキャタピラー、アルコアなど景気敏感株中心に大幅続伸した。

為替市場ではドルの戻りは限定的だった。東京時間2日は1ドル =84円10-50銭付近で推移、前日のニューヨーク時間に一時付けた 83円67銭からはドル高・円安にあったが、1日の東京株式市場の取 引終了時点の同84円42銭と比べればドル買いの勢いは鈍かった。

日経平均は取引開始直後に一時156円高まで上昇したが、その後 は伸び悩み。前日の米S&P500種株価指数が3%高、ストックス欧 州600指数が2.7%高と大幅高だったのに対し、日経平均は1.5%高に とどまった。ISM統計の予想外の内容を受け、欧米株は大幅上昇と なったが、為替の影響を受けやすい日本株の上昇力は鈍かった。東証 1部の売買高は15億8057万株と、前日までの過去1年間の平均(19 億7751万株)を20%下回る。

東証1部の騰落銘柄状況は値上がり1193、値下がり342。33業種 の上昇率上位には鉱業、精密、空運、非鉄、ガラス・土石製品などが 並んだ。ゴム製品株に関しては、シティグループ証券が業績の再度の 増額修正予想を背景にタイヤ業界の投資判断を「買い」で強調する材 料もあった。

東証1部売買代金上位では、ホンダや三井住友フィナンシャルグ ループ、ソニー、キヤノン、ジーエス・ユアサ コーポレーション、日 産自動車などが上昇。半面、トヨタ自動車、三菱UFJフィナンシャ ル・グループ、東芝、エルピーダメモリは安い。

長期金利は1カ月半ぶり高水準

債券相場は続落し、長期金利は約1カ月半ぶりの高水準を付けた。 前日の米国市場で、供給管理協会(ISM)の製造業景況指数の改善 を受けて債券安、株高となった地合いを継続し、売りが優勢だった。 民主党代表選挙に絡んだ財政拡大懸念も根強く、超長期債など期間の 長いゾーンを中心に売られた。

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の310回債利回 りは、前日終値1.06%を上回る1.09%で始まった後、いったん1.08% にやや水準を切り下げた。しかし、その後に売りが優勢となると徐々 に水準を切り上げ、午後2時50分前後には1.11%まで上昇。新発10 年債としては7月15日以来の高水準となった。

超長期債が大幅続落。新発20年債利回りは一時8ベーシスポイン ト(bp)高い1.83%、新発30年債利回りは7bp高い1.865%まで上 昇した。

民主党代表選が1日に告示(投開票は14日)され、現職の菅直人 首相と小沢一郎前幹事長の2人が立候補を届け出た。財政規律を重視 してきた菅政権に対し、小沢氏は昨年の衆院選マニフェスト(政権公 約)を実行するとみられ、財政拡大観測が高まっている。

一方、東京先物市場で中心限月9月物は続落。前日比20銭安の 142円31銭で始まった後、日経平均株価がいったん伸び悩むと、午前 9時40分過ぎに3銭安まで戻した。しばらく142円30銭前後で推移 していたが、取引終盤にかけて売りが膨らむと一時は36銭安まで下落 した。結局は30銭安の142円21銭と、この日の安値圏で引けた。

円が反発

東京外国為替市場では円が反発。週末に米国の雇用統計の発表を 控え、同国の景気の先行き懸念がくすぶり、リスク回避目的とみられ る円買いがじわりと進む展開となった。

ブルームバーグ・データによると、円は全面安となった前日から一 転、ほとんどの主要通貨に対して前日終値から水準を切り上げている。

ユーロ・円相場は1ユーロ=108円台前半でのもみ合いが続いて いたが、徐々に円買いが優勢となり、正午すぎには一時、107円51銭 まで円が上昇。オーストラリアの貿易黒字が予想以上に縮小し、対豪 ドルで円買いが強まったことも影響した。

ドル・円相場は1ドル=84円台半ば付近での小動きのなか、東京 市場を迎えたが、午前9時前後に日中の円安値となる84円56銭を付 けると、円はじり高に転換。正午すぎに84円8銭まで円高に振れた後 は、84円台前半でもみ合う展開となった。

ブルームバーグ・ニュースが実施したエコノミスト調査によれば、 3日発表の8月の米雇用統計では非農業部門雇用者数が10万人減少 するとみられている。

米雇用統計の前哨戦となる1日発表の給与明細書作成代行会社オ ートマティック・データ・プロセッシング(ADP)エンプロイヤー・ サービシズの8月の民間部門の雇用者数は、エコノミストの増加予想 に対して前月比1万人減少。この日発表される先週分の新規失業保険 申請件数は前週から2000件増加の47万5000件となる見通しで、雇用 とともに注目の住宅関連では、7月の中古住宅販売成約指数が3カ月 連続で低下すると予想されている。

前日の海外市場では、アジア時間に発表された中国の製造業購買 担当者指数が好調だったことに続き、8月の米ISM製造業景況指数 が予想外に上昇したことで、米国や世界景気に対する過度の不安が後 退。米株式相場は2カ月ぶりの大幅高となり、外国為替市場では相対 的にリスクの高い資源国通貨などが買われた一方、低金利で調達通貨 である円やドル、安全通貨とされるスイス・フランが売られる展開と なっていた。

菅直人首相は2日午後、民主党の小沢一郎前幹事長との討論会で、 「円高に対する危機感はかなり早い段階から持っていた」と述べ、政 府と日銀が8月30日に対策を決め、「実行に移す段階」と指摘した。

一方、小沢氏は「円の評価が上がるのは長期的に悪いことではな い」とした上で、短期的には企業や雇用に影響があるため、「日銀の金 融政策だけの余地が狭まる中、日本だけの介入はなかなか効果が上が らないが、日本だけで介入するくらいの覚悟が必要」との認識を示し た。

オーストラリア統計局が2日発表した7月の貿易収支は18億 9000万豪ドルの黒字となった。ブルームバーグ・ニュースがまとめた エコノミスト調査の予想中央値は31億豪ドルの黒字だった。

予想以上の黒字縮小を受け、豪ドルは反落。対米ドルでは約3週 間ぶり高値水準となる1豪ドル=0.91ドル台前半から0.90ドル台半 ば付近まで値を下げた。

一方、ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.2800ドルを中心にもみ合 う展開。エコノミストらによると、欧州中央銀行(ECB)の政策委 員会はこの日の会合で、市中銀行に対する緊急の融資措置を2011年に 入っても継続することで一致する可能性が高い。政策金利については 過去最低の1%に据え置かれると予想されている。