「銀行システム救え」、FDIC総裁が身売り促す-ワコビア元CEO

【記者:David Mildenberg】

9月1日(ブルームバーグ):米銀ウェルズ・ファーゴに買収さ れた同業ワコビアのロバート・スティール元最高経営責任者(CE O)は、経営破たんの瀬戸際に置かれていた2008年当時、連邦預金 保険公社(FDIC)から身売りによって銀行システムのメルトダ ウンを回避するよう命じられたことを明らかにした。

スティール氏は1日、金融危機調査委員会(FCIC)の公聴 会で証言し、FDICのベアー総裁が08年9月28日、「ワコビア をめぐる状況がシステミックリスクを生じさせている」と警告し、 シティグループへの身売り交渉を開始するようスティール氏に促し たと述べた。シティはその後、FDICが損失の一部を肩代わりす る支援付きの買収提案を行ったが、ウェルズ・ファーゴが政府支援 なしのより高額なオファーを数日後に提示し、ワコビアを手中に収 めた。

FCICの公聴会は、ワコビアや保険会社のアメリカン・イン ターナショナル・グループ(AIG)を救済する一方、リーマン・ ブラザーズ・ホールディングスなどを破たんさせた米政府の決定と、 金融危機をめぐる状況を検証する目的で開かれている。FCICの 広報担当タッカー・ウォーレン氏は「政府はワコビアを大き過ぎて つぶせない金融機関とみなしていたが、リーマンは別のバケツに入 れられた。一体なぜか多くの疑問がある」と語った。

08年当時米銀4位だったワコビアは、ゴールデン・ウェスト・ ファイナンシャルの買収で約1200億ドル相当の変動金利型住宅ロー ン(ARM)債権を抱え込み、経営が圧迫された。08年9月29日 に政府の支援を得て資産の大半をシティに21億6000万ドルで売却 することでいったん合意したが、ウェルズ・ファーゴがその後、政 府支援が付かない150億ドルの買収案を提示して競り勝った。