土地が買えれば「ビンゴ」-不動産ブームに沸く西豪州辺境、鉱山の町

建設業を立ち上げたばかりの10年 前、ポール・イートン氏はオーストラリアのカラーサに移り住んだ。カ ラーサはウエスタンオーストラリア州にある人口約2万人の鉱山の町。 今では40人の従業員を抱えるが、住宅の建設作業が需要に追い付かな くなっている。土地需要が過熱し当局は買い手を決めるために抽選を実 施しているほどだ。

イートン氏(43)は建設現場で従業員たちを見守りながら「抽選で 土地を一区画購入することができた人は『ビンゴ』と叫び声を上げるだ ろう。その場で10万豪ドル(約760万円)もうかったようなものだか らだ」と語る。

鉄鉱石と天然ガスの世界有数の産地であるこの地域での住宅不足 は、中国の工業化に伴う需要を満たすため資源を採掘する米石油2位の シェブロンや豪英系鉱山会社BHPビリトンなどの企業のコストを押し 上げている。シェブロンは、430億豪ドル規模のゴーゴン・ガスプロジ ェクトで働く作業員350人の宿舎として建造後7年が経過した大型船フ ィンマルケン号をリースせざるを得ない状況となった。

豪州北西部のピルバラ地方最大の町、カラーサの住宅価格の中央値 は77万5000豪ドルと、シドニーを49%上回る。しばしばサイクロン に見舞われる上、飛行機で行き来しなければならないこの辺境の地で、 寝室が4つの住宅の家賃は1カ月1万豪ドルと、ニューヨークのマンハ ッタンのアパートの3倍に上る。

鉱業の中心地

ピルバラ地方は豪州の商品輸出の23%を占める。この地方の面積 は米カリフォルニア州を20%上回るにもかかわらず、人口はわずか約 4万5000人。ウエスタンオーストラリア州の州都パースから北方に約 1500キロメートル離れたカラーサは、世界で最も辺境に位置する町の1 つだ。れんがや屋根の材料、石こうボードを数千キロ輸送しなければな らないため、住宅の建築費用は豪州の主要都市の約2倍に達する。

この地方のもう1つの主要都市、ポートヘッドランドはBHPや英 豪系リオ・ティントの鉄鉱石事業の中心地。カラーサ同様に不動産価格 は高騰しており、ウエスタンオーストラリア州不動産研究所によると、 住宅価格の中央値は90万8000豪ドルとなっている。調査会社RPデ ータによると、シドニーでは52万豪ドルだ。

建築家協会の地域マネジャー、ダイアン・ジルランド氏は「この地 域の土地は急騰している」と指摘。「物流面から見てピルバラで住宅を 建設するには非常にコストが掛かる。商用で訪れた人々が宿泊する施設 がない。トレーラーハウスが設置できる場所もわずかだ。ホテルは幾ら でも宿泊料を値上げできるが予約するのさえ困難だ。価格は長期にわた って上昇するだろう」と述べた。

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