イタリア南部の町、予算使い宝くじ購入へ-財政資金を賄うもくろみ

イタリア南部にある町メリトは、 予算の一部を使い、毎週宝くじを購入する予定だ。宝くじは賭けごと という点では金融商品に投資するのと変わらないという理屈だ。

メリトのアントニオ・アメンテ町長は8月31日、自ら提案した宝 くじ購入に議会が全会一致で賛成した後、インタビューに応じた。町 長は、ナポリの近くに位置するメリトが宝くじに当たったら、「ちょっ としたタックスヘイブン(租税回避地)」になり、「モンテカルロみた いになれるだろう」と語る。

人口3万5000人のメリトは今週、当せん金が1億2700万ユーロ (約137億円)近くに積み上がった「スーパーエナロット」で、最初 の宝くじ購入を行う。行政担当者は、町長の給与に充てる予算の中か ら毎週15ユーロ(年間800ユーロ)を使い、6つの数字の組み合わせ を当てるつもりだ。

イタリアだけでなく世界各地の市町村議会が、債券発行やデリバ ティブ(金融派生商品)投資で財政を賄おうとする中、アメンテ町長 は、同じお金を賭けるなら宝くじの方が良いし、コストも安いと話す。 また、すべてを運にまかせるのではなく、ナポリに昔から伝わる伝統 的な計算方法を使って数字の組み合わせを選ぶという。

ローマにある社会科学国際自由大学(LUISS)のジェンナロ・ オリビエリ教授(金融数学)は、「知らない人の電話番号を当てる方が まだ簡単だ」と指摘し、当せんの確率は約6億2200万分の1と推定し た。「地方の行政担当者がいかに必死なのかがわかる」と述べた。

イタリア政府は、財政赤字削減とギリシャ債務危機の悪影響阻止 に向けた250億ユーロ規模の歳出カットの一環として、地方向け予算 を削減。市町村は苦境に陥っている。イタリア銀行(中央銀行)によ れば、自治体の一部が最近数年間デリバティブに投資した結果、11億 ユーロの損失が出た一方で、利益は1億ユーロにしかならなかったと いう。