債券続落、長期金利は1カ月半ぶり高水準-財政懸念で超長期売り継続

(第5、6段落を追加して更新します)

【記者:池田祐美】

9月2日(ブルームバーグ):債券相場は続落し、長期金利は約1 カ月半ぶりの高水準を付けた。前日の米国市場で、供給管理協会(I SM)の製造業景況指数の改善を受けて債券安、株高となった地合い を継続し、売りが優勢だった。民主党代表選挙に絡んだ財政拡大懸念 も根強く、超長期債など期間の長いゾーンを中心に売られた。

岡三証券の坂東明継シニアエコノミストは、「長期債や超長期債は 金利低下が行き過ぎていた部分の反動が出ている。民主党代表選の影 響も大きい。これまでは政府が財政再建路線を維持し、需給が悪化し ないという安心感があったが、不透明感が強まっている」と述べた。

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の310回債利回 りは前日終値1.06%を上回る1.09%で始まった後、いったん1.08% にやや水準を切り下げた。しかし、その後に売りが優勢となると水準 を切り上げ、一時は1.11%まで上昇。新発10年債としては7月15日 以来の高水準となった。午後3時50分前後からは1.105%で取引され ている。

超長期債が大幅続落。新発20年債利回りは一時8ベーシスポイン ト(bp)高い1.83%、新発30年債利回りは7bp高い1.865%まで上 昇した。トヨタアセットマネジメントの浜崎優チーフストラテジスト は、金利上昇について、財政懸念のほか、「一部投資家が普段は買わな い超長期セクターまで買いを入れていたので、金利リスクが積み上が っていたこともあるのではないか」と見ていた。

MU投資顧問債券運用部の山下哲生副部長は、先物限月交代を10 日前後に控え、「ヘッジ売りも出しづらく、超長期債を持てない状況」 と言う。

中期債も安い。5年物の90回債利回りは前日比2.5bp高い

0.295%に上昇した。もっとも、一時は利回りが8bp高となった20年 債や4bp以上高い10年債と比べると、上昇幅は相対的に小さい。岡 三証の板東氏は、「日銀の金融緩和継続で、短中期債は比較的に安定推 移となっている」と話した。

朝方は前日の米国市場の動向を受けて売りが先行した。RBS証 券の徐瑞雪債券ストラテジストは、米ISM景況指数が予想に反して 上昇し、米国の株高、債券安の流れを引き継いだと説明した。1日の 米国債相場は下落。一方、米株式相場は続伸し、2カ月ぶりの大幅高 となった。

財政拡大懸念

民主党代表選が1日に告示(投開票は14日)され、現職の菅直人 首相と小沢一郎前幹事長の2人が立候補を届け出た。財政規律を重視 してきた菅政権に対し、小沢氏は昨年の衆院選マニフェスト(政権公 約)を実行するとみられ、財政拡大観測が高まっている。

RBS証の徐氏は、民主党の代表選に伴って財政拡張への懸念が 高まる中、超長期ゾーンには金利上昇圧力がかかりやすいと指摘。そ の上で、「来週以降に30年債と20年債入札が続く上、14日の20年債 入札は代表選の投開票ともぶつかるだけに、選挙の見通しも含めて成 り行きを見守りたいといった声が多い」と語った。

住友信託銀行の瀬良礼子マーケット・ストラテジストは、「今後 20、30年のどこかで、高齢化が行き詰まり、国内貯蓄では賄いきれな いぐらい国債発行が進むとの分析もある」と語り、財政懸念へ関心が 向かえば、超長期債は持てないという発想になりやすいと言う。

一方、東京先物市場で中心限月9月物は続落。前日比20銭安の 142円31銭で始まった後、日経平均株価がいったん伸び悩むと、午前 9時40分過ぎに3銭安まで戻した。しばらく142円30銭前後で推移 していたが、取引終盤にかけて売りが膨らむと一時は36銭安まで下落 した。結局は30銭安の142円21銭と、この日の安値圏で引けた。

--取材協力:近藤雅岐、赤間信行 Editors:Hidenori Yamanaka,Masaru Aoki

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