9月1日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、 商品相場は次の通り。

◎外国為替市場:ドルと円下落、製造業の景況改善でリスク資産に需要

ニューヨーク外国為替市場ではドルと円が主要通貨の大半に対して 下落。米国と中国の製造業部門の拡大が示されたことから、高利回り通 貨への需要が押し上げられた。

オーストラリア・ドル(豪ドル)は対ドルで3週ぶり高値に上 昇。オーストラリアの4-6月(第2四半期)の国内総生産(GD P)は過去3年で最大の伸びだった。ドルは対円で上昇。米供給管 理協会(ISM)が発表した8月の製造業景況指数が予想に反して 上昇したのが好感された。ドルはこれより先、対円で15年ぶり安値 付近をつける場面もあった。

BNYメロンの為替グループのマネジングディレクター、サマ ルジット・シャンカー氏は「投資家はリスクの高い通貨に飛び付き、 ドル相場は軟調になるだろう」と述べ、「ISM統計は非常に予想 外の内容だったことから、それが原動力になった」と続けた。

ニューヨーク時間午後4時25分現在、ドルは対ユーロで1%下 げて1ユーロ=1.2811ドル。一時は8月19日以来安値の

1.2856ドルまで下落した。円は対ユーロで1.3%下げて1ユーロ =108円18銭。前日は106円76銭だった。ドルは対円で0.3% 上昇して1ドル=84円44銭。一時は83円67銭まで売り込まれ た。8月24日には1995年6月以来の安値83円60銭をつけた。

豪ドルとノルウェー・クローネ

豪ドルとノルウェー・クローネは主要通貨すべてに対して上昇。 豪ドルは対米ドルで2.2%高。オーストラリアの第2四半期GDP は前四半期比1.2%増と、第1四半期の0.7%増から伸びが拡大し た。ノルウェー・クローネは対ドルで1ドル=6.1615クローネと、 約2週間ぶりの高値を付けた。

スイス・フランは主要通貨の大半に対して下落。対ユーロでは 1%値下がりした。

米供給管理協会(ISM)によると、8月の製造業景況指数は

56.3と、前月の55.5から上昇した。ブルームバーグ・ニュース がまとめたエコノミスト予想中央値は52.8への低下だった。同指 数では50が製造業活動の拡大と縮小の境目を示す。

中国の製造業

中国物流購買連合会が発表した8月の製造業購買担当者指数 (PMI)は51.7と、前月の51.2から上昇。ブルームバーグが まとめたエコノミスト17人の予想中央値(51.5)も上回った。同 指数は50が製造業活動の拡大と縮小の境目を示す。

トラベレックス・グローバル・ビジネス・ペイメンツの市場ア ナリスト、ジョー・マニンボ氏は、明るい内容の経済統計で「世界 経済成長をめぐる懸念が緩和されたが、すべてを打ち消したわけでは ない」と指摘。「投資家の雇用見通しに対する懸念はまだ根が深い。 そうした懸念は最終的には円やドルといった安全な逃避先とみなされ る通貨にとっては支援材料になるだろう」と述べた。

給与明細書作成代行会社のオートマティック・データ・プロセ ッシング(ADP)エンプロイヤー・サービシズが発表した給与名簿 に基づく集計調査によると、8月の米民間部門の雇用者数は前月比 で1万人減少した。ブルームバーグがまとめたエコノミストの予想 中央値は1万5000人の増加だった。3日に発表される米雇用統計 では10万人の雇用減が見込まれている。

ADPの民間雇用統計発表後、円は一時、対ドルで値上がりす る場面もあった。

◎米国株式市場:大幅高、製造業統計を好感-ダウ平均255ドル高

米株式相場は続伸し、2カ月ぶりの大幅高。米国や中国の製造業統 計が市場予想を上回ったことが手掛かりになった。

キャタピラーを中心にS&P500種株価指数の資本財株指数が 大きく上昇。米国と中国の製造業活動の拡大ペースが8月に加速した ことが背景。金属価格の上昇を追い風に、アルコアも高い。

新型の携帯音楽プレーヤー「iPod(アイポッド)」のほか、 音楽や動画をテレビで再生するセットトップボックス「アップルTV」 のリニューアルを発表したアップルも上昇。これに関連し、オンライ ン映画レンタルサービスのネットフリックスも値上がり。身売り観測 が浮上したバーガーキング・ホールディングスは急伸した。

S&P500種株価指数は前日比3%高の1080.29。ダウ工業株 30種平均は254.75ドル(2.5%)上昇の10269.47ドル。

スリベント・アセット・マネジメントの運用責任者、マイケル・ ビンガー氏は「ロングオンリーのファンドは一息つけたことだろう。 ショート側は売り浴びせが恐らく終了したと話している」と指摘。 「夏を通じて米経済指標のほとんどが悲観的だったにもかかわらず、 このように相場が大幅に上昇したのはそのためだ」と述べた。

前月の市場は8月としては過去9年間で最大の下げを記録してい た。製造業活動の拡大が示されたことを背景に、各国政府が景気刺激 策を解除するなか世界経済が減速するとの懸念が和らいだ。米連邦準 備制度理事会(FRB)が前日発表した連邦公開市場委員会(FOM C)議事録によると、一部メンバーは、成長とインフレ見通しの双方 で下振れリスクが高まっていると指摘した一方、当局は景気浮揚に向 けた国債購入の再開には慎重な姿勢を示唆した。

最悪の月間

ストック・トレーダーズ・アルマナックによれば、9月は株式に とっては歴史的に見て最悪の月間となっており、1950年以降S&P 500種は平均で0.7%、ダウ30種平均は1%それぞれ下落している。

キャタピラーは4.6%高と、資本財株指数の上昇をけん引。同 指数はS&P500種の業種別10指数の値上がり率トップとなった。 米供給管理協会(ISM)が発表した8月の製造業景況指数は56.3 と、前月の55.5から上昇した。ブルームバーグ・ニュースがまとめ たエコノミスト予想の中央値は52.8への低下だった。同指数では 50が製造業活動の拡大と縮小の境目を示す。

米株式相場は、中国の製造業統計を受けた世界的な株高の流れを 引き継いだ。中国物流購買連合会が1日発表した8月の製造業購買担 当者指数(PMI)は51.7と、前月の51.2から上昇。エコノミス トの予想中央値も上回った。英HSBCホールディングスなどがこの 日発表した8月のHSBC中国製造業PMIは51.9に上昇。7月は

49.4だった。

上昇を維持

給与明細書作成代行会社のオートマティック・データ・プロセッ シング(ADP)エンプロイヤー・サービシズが発表した集計調査で、 8月の米民間部門雇用者が市場予想に反して前月比で減少したことが 示された後も、株価は上昇した。同集計調査によると、米民間部門の 雇用者数は前月比で1万人減少した。ブルームバーグがまとめたエコ ノミストの予想中央値は1万5000人の増加だった。米人材あっせん 会社チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス(シカゴ)がこの 日公表した別のリポートによると、8月に発表された人員削減計画の 対象は3万4768人と、前年同月比で55%減少した。

リッジワース・キャピタル・マネジメントのファンドマネジャー、 ドン・ワーデル氏は、「とても力強いV字型の回復とは言えないが、 引き続き成長段階にある上、こうした株価水準は非常に魅力的だ」と 指摘。「市場参加者は中国経済の減速をかなり懸念していたが、同国 経済は拡大している。投資家が心配していたほど悲観的な状況ではな い」と述べた。

アルコアは3%高。フリーポート・マクモラン・カッパー・アン ド・ゴールドは5.8%値上がり。ニューヨークの銅相場は4カ月ぶ りの高値に上昇した。

アップルは3%高。同社は新型のiPodを公開、コンテンツ配 信サイト「iTunes(アイチューンズ)」にソーシャル・ネット ワーキングの機能を加えた。

◎米国債市場:下落、ISM景況指数上昇で安全需要が後退

米国債相場は3日ぶり下落。米供給管理協会(ISM)の製造業景 況指数が予想外に上昇したことで、比較的安全な国債への需要が後退し た。

2年債利回りは過去最低付近から上昇。世界的な景気回復の兆 候が手掛かりとなった。この日は、中国で製造業活動の拡大が示さ れたほか、オーストラリアの4-6月(第2四半期)国内総生産(G DP)は、3年ぶりの大幅な伸びとなった。

三菱UFJフィナンシャル・グループのシニア米国債トレーダ ー、トーマス・ロス氏は「この相場水準では多くの悪材料が織り込 まれている」とした上で、「織り込み過ぎたかもしれないと感じさ せるような数字が経済指標で出た場合、市場では売りが出る」と指 摘した。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク 時間午後4時12現在、10年債利回りは前日比11ベーシスポイン ト(bp、1bp=0.01%)上昇の2.58%。同年債(表面利率

2.625%、2020年8月償還)価格は、29/32下げて100 14/32。

2年債利回りは、3bp上げて0.51%。一時は0.47%に下 げる場面もあった。同利回りは8月24日に過去最低となる

0.4542%を付けた。30年債利回りは13bp上昇し、3.64%。

利回り格差

2年債と10年債の利回り格差は2.07ポイントに拡大。景気 回復が失速しつつあるとの懸念が後退したことが背景にある。

米国債のボラティリティ(変動性)は今週、3カ月ぶり高水準 に達した。償還年限2-30年の米国債の店頭オプション価格を基 にしたボラティリティの指数であるバンク・オブ・アメリカ(BO A)メリルリンチのMOVE指数は、8月30日に109.7と6月1 日以来の水準に上昇した。

ISMが発表した8月の製造業景況指数は56.3と、前月の

55.5から上昇した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノ ミスト予想中央値は52.8への低下だった。同指数では50が製造 業活動の拡大と縮小の境目を示す。

ドイツ銀行のプライベート・ウェルス・マネジメント部門の債 券トレーディング責任者、ゲーリー・ポラック氏(ニューヨーク在 勤)は、製造業景況指数について、「景気に関するプラスのサプラ イズだ」とした上で、「債券市場は買われ過ぎの状態だ」と語った。

雇用情勢

ブルームバーグが実施したエコノミスト調査によれば、3日に 発表される8月の雇用統計では、10万人の雇用減が見込まれてい る。

米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMC O)の市場ストラテジスト兼ポートフォリオマネジャー、アンソニ ー・クレセンツィ氏は、顧客向けの調査リポートで、「多くの投資 家はISM製造業景況指数の数字に疑問を感じており、景気回復の 持続性を見極めるため雇用統計を待っている」と説明した。

給与明細書作成代行会社のオートマティック・データ・プロセ ッシング(ADP)エンプロイヤー・サービシズが発表した給与名 簿に基づく集計調査によると、米民間部門の雇用者数は前月比で1 万人減少した。ブルームバーグがまとめたエコノミストの予想中央 値は1万5000人の増加だった。

◎金先物市場:反落、株上昇で下げに転じる-一時は2カ月ぶり高値も

ニューヨーク金先物相場は反落。一時は2カ月ぶりの高値をつけ る場面があったものの、株高で価値保存手段としての需要が後退し、 下げに転じた。

8月に4.7%下落したS&P500種株価指数はこの日、最大で

2.9%上昇した。金は8月に5.6%上昇し、過去最高値の1オンス =1266.50ドルに接近した。

プロスペクター・アセット・マネジメントのレナード・カプラ ン社長は「金は割安ではないため、少し売りが出ている」と指摘。 「金利が非常に低いため、市場は利回りを求めて可能ならどの資産 にでも買いを入れるだろう。量的緩和はすべてにとって良いことだ」 と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先 物相場12月限は前日比2.20ドル(0.2%)安の1オンス=

1248.10ドルで取引を終了。一時は1256.60ドルと6月28日以 来の高値をつけた。

◎原油先物市場:大幅反発、米中の製造業拡大で-終値73.91ドル

ニューヨーク原油先物相場は大幅反発。ここ1カ月で最大の上げ となった。主要エネルギー消費国である米国と中国で8月の製造業活 動が予想以上に速いペースで拡大したことが明らかになり、買いが膨 らんだ。

米供給管理協会(ISM)が発表した8月の製造業景況指数は

56.3と、前月の55.5から上昇した。これを背景に原油相場は一時、

3.6%上昇し、株式相場は反発した。米エネルギー省発表の原油在庫 は前週から343万バレル増加したものの、材料視されなかった。

PFGベストのバイスプレジデント、フィル・フリン氏(シカゴ 在勤)は、「ISM指数はまったくの予想外だった」と指摘。「エネ ルギートレーダーは製造業を経済や需要のバロメーターとみなしてい る」と語った。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物10月限は前 日比1.99ドル(2.77%)高の1バレル=73.91ドルで取引を終了 した。

◎欧州株式市場:約3カ月ぶり大幅高、米中の製造業統計を好感

欧州株式相場は過去3カ月余りで最大の上昇。米国や中国の経 済指標で製造業活動の伸びが示されたことを好感した。フランスの メディア大手ビベンディが、業績見通しを引き上げたことも追い風 になった。

銅相場が4カ月ぶりの高値に上昇するなか、鉱山会社のスイス のエクストラータと英アントファガスタがいずれも大きく値上が りした。ビベンディは5%高。世界最大の建設会社、仏ヴァンシは 決算が予想を上回ったことを背景に買い進まれた。

ストックス欧州600指数は前日比2.7%高の258.19で終了。 5月27日以来の大幅高となった。同株価指数は8月に月間で

1.6%下落。米国の経済指標が失望を誘う内容となったことで、同 国が再びリセッション(景気後退)に陥るとの懸念が強まった。

アリアンツ・グローバル・インベスターズのRCM部門で調査 担当責任者を務めるグナー・ミラー氏は、ブルームバーグテレビジ ョンに出演し「二番底は予想していない」と発言。「中国の統計の 伸びからもわかるように、BRICs諸国では構造的な成長が引き 続きみられる」と述べた。BRICsはインドと中国、ブラジル、 ロシアで構成される。

鉱山株が高い

エクストラータは6.1%高。ロンドン市場の銅相場は4月以来 の高値に上昇した。アントファガスタは6%値上がり。

ビベンディはメディア株の上昇をけん引。5%高の19.33ユ ーロと、4カ月ぶりの高値で引けた。同社は10年通期の見通しを 上方修正。1-6月(上期)利益は、前年同期比4%増の15億3000 万ユーロとなり、ブルームバーグがまとめたアナリスト8人の予想 平均の14億9000万ユーロを上回った。

ヴァンシは4.8%高と、建設株指数の押し上げに寄与した。同 指数は3.4%上昇。同社の1-6月(上期)利益は前年同期比1.9% 増の7億300万ユーロ。アナリストの予想平均は6億8100 万ユ ーロだった。

◎欧州債券市場:独国債反落、10年債利回り4カ月ぶり大幅上昇

欧州債市場ではドイツ国債相場が3日ぶりに下落。10年債利 回りは約4カ月ぶりの大幅上昇となった。株高で安全資産としての 国債需要が後退した。

独30年債利回りも上昇した。中国とオーストラリアの経済統 計で、世界景気の回復失速への懸念が和らいだことが背景にある。 米国の製造業活動が8月に予想を上回るペースで拡大したことも 注目された。

別の統計では、ドイツの7月の小売売上高と米国の8月の民間 部門雇用者が予想に反して減少したものの、ドイツ国債相場を押し 上げるきっかけとはならなかった。ポルトガルがこの日実施した 10億ユーロ相当の国債入札は好調だった。

コメルツ銀行のロンドン在勤の債券ストラテジスト、デービッ ド・シュナウツ氏は、「中国とオーストラリアの経済データでリス ク意欲が改善し、株価が上げた一方で、国債相場は下落したようだ。 だが、弱い内容だったこの日の経済データは利回り低下につながら なかった」と述べ、「市場にはこのところの続伸で買い疲れが出て おり、売りの口実が求められている」と続けた。

ロンドン時間午後4時5分現在、独10年債利回りは前日比11 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.23%。一時 は13bp上昇し、5月10日以降で最大の上げとなる場面もあった。 同国債(表面利率2.25%、2020年9月償還)価格は1.0ポイン ト下げ100.19。2年債利回りは4bp上昇の0.67%、30年債利 回りは13bp上げ2.79%となった。

◎英国債市場::下落、10年債利回り2.93%-入札実施

英国債相場は下落。10年債利回りは前日比9ベーシスポイン ト(bp、1bp=0.01%)上昇の2.93%。2年債利回りは4b p上昇し0.69%となった。

英公債管理局(DMO)はこの日、10億ポンド(約1310億 円)規模の2038年償還の国債入札をミニ・テンダー方式で実施し た。応札倍率は1.56倍だった。

DMOは2日に14年償還の国債(表面利率5%)を37億5000 万ポンド入札する。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 森 茂生 Shigeki Mori +1-212-617-6107 smori1@bloomberg.net ニューヨーク 西前 明子 Akiko Nishimae +1-212-617-2601 anishimae3@bloomberg.net Editor: Shigeru Chiba 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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