1倍割れたTOPIXのPBR、長期化の可能性低い-野村証岩澤氏

野村証券の岩澤誠一郎チーフ・スト ラテジストは、TOPIXの株価純資産倍率(PBR)が約1年5カ 月ぶりに会社解散価値の1倍を割り込んできたことについて、今後は 米国での追加金融緩和や日本政府による株安対策などが期待できるた め、この状況が定着・長期化する可能性は低いとの見方を示した。

世界景気や円高警戒、政策不信を背景に、日本株相場が8月31 日に急落したことで、じりじりと水準を切り下げていたTOPIXの PBRは0.98倍まで低下、昨年3月以来の1倍割れとなっている。1 日のTOPIX終値は0.8%高の811.40と反発したが、ブルームバー グ・データの1株純資産(BPS)822円を依然下回っており、PB Rは0.99倍にとどまる。

岩澤氏によると、TOPIXのPBRが1倍を下回ったのは過去 40年で2008年10月-09年3月、サブプライム・ローン問題やリーマ ン・ショックで世界的な金融危機が最も深刻化した時期のみだ。「足元 で景気の先行きへの不透明感が強いのは確かだろうが、金融危機が想 定される地合いではない」と指摘。景気減速感が強まっている米国で は、連邦準備理事会(FRB)が追加金融緩和策を投入する用意があ ることを明確に意思表示しており、「米国株は目先リバウンドが予想さ れる」という。

さらに岩澤氏は、日本の政策対応について「菅直人首相が続投す るにせよ、小沢一郎氏が新首相となるにせよ、『円高・株安対策』が優 先度の高い政策になる」と予想。最も重要なのは日本銀行の対応だが、 「日銀もこうした政府の政策に協調した動きを示す」と見ている。