小沢氏:円高対策で市場介入に言及、子ども手当満額支給も

民主党の小沢一郎前幹事長は1日、 党を通じて代表選に向けた政権政策を発表した。この中で同氏は、円 高傾向にある為替市場の動向に関して「円高効果を生かす一方、今後 の急激な円高については日本経済を守るために市場介入を含むあら ゆる方策を果断に実施する」と明記。「市場介入」に直接言及するこ とで、菅直人首相よりも一歩踏み込んだ方針を掲げた。

これに対し、首相が発表した政権政策は、冒頭で「現下の円高・ 株安など経済情勢が厳しい中で代表選に立候補することになった」と 指摘したものの、市場介入など為替市場への対応には触れなかった。 首相は8月27日、「必要な時には断固たる措置を取る」との見解を表 明したが、「市場介入」に直接言及することは避けている。

第一生命経済研究所の熊野英生主席エコノミストは、小沢氏が 「市場介入」に言及したことについて「姿勢を示しただけで政策の実 現性はまた別の話だ。本当にできるかどうかは各国と調整しないとい けない。海外との調整が必要だがそこが書かれていない」と指摘した。

小沢、菅両氏はまた、衆院選のマニフェスト(政権公約)への対 応でも違いを見せている。例えば目玉政策だった子ども手当。小沢氏 は政権政策で、現在は月額1人1万3000円となっている支給額を来 年度には2万円、次年度からは2009年の衆院選で約束した満額の2 万6000円を支給することを明記した。

子ども手当

これに対し、菅首相の政権政策は、子ども手当などの政策実現に 「できる限り誠実に取り組む」としたものの、「財源の制約などで実 現が困難な場合は、国民に率直に説明し理解を求める」と指摘した。 菅政権は先の参院選マニフェストでも、子ども手当に関して「財源を 確保しつつ、すでに支給している1万3000円から上積みする」と満 額実施を、事実上断念したと受け止められる表現を盛り込んでいる。

熊野氏は両氏の財政政策について「小沢さんは歳出の組み替えで 財源が出てくるということ。菅さんは消費税を視野に入れているが小 沢さんは視野に入れていない」と指摘、「小沢政権が誕生した場合に は財政赤字の拡大、財政再建のとん挫というリスクがある」と分析し ている。

日米関係では小沢氏は、両国は「対等のパートナー」と指摘、「国 際社会において、米国と共に今まで以上にその役割および責任を分担 する」考えを示した。米海兵隊普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移 転問題については、「沖縄県民と米国政府がともに理解し、納得し得 る解決策を目指して、沖縄県、米政府と改めて話し合いを行う」とし て名護市辺野古周辺に移設する現行案の再考に含みを持たせた。

菅首相は普天間移設問題に関しては「日米合意を踏まえて取り組 むと同時に、沖縄の負担軽減に全力を挙げる」とこれまでの政府方針 を踏襲していく方針を示している。