S&P:日本の外需主導の景気回復は「息切れ状態」

米格付け会社スタンダード・アン ド・プアーズ(S&P)は1日、日本の景気回復は不透明な世界経済 見通しや国内需要の不振、政策の行き詰まりなどに足を引っ張られ、 「息切れ状態にある」とのリポートを発表した。

S&Pは日本の実質国内総生産(GDP)成長率を2010年(暦年) で2.5%、10年度で2.0%と予想しているが、11年は暦年ベースで

1.6%、年度ベースで1.5%へ減速すると予想している。

S&Pはこうした予想の背景として、08年秋以降の世界的な景気 後退の後、日本経済の回復をけん引してきたのは主に輸出であるが、 輸出による回復が持続する余地は限られていると説明した。

財務省が8月25日発表した7月の貿易統計速報(通関ベース)に よると、輸出額は前年同月比で8カ月連続増加したが、伸び率は同

23.5%増にとどまり、5カ月連続縮小した。地域別では、対米が同

25.9%増、対EU(欧州連合)が同13.3%増、対アジアが同23.8%増。 このうち、中国向けは同22.7%増だった。中国向けは昨年12月以降 40%台から80%の大幅な伸びを示したが、5月以降は20%台の伸び。

S&Pは、米国向けの輸出は緩やかに増加するとみているものの、 米国の景気回復の勢いに陰りがみられるなか、自動車やⅠT(情報通 信)関連といった成長産業で減速が予想されると指摘。欧州では短期 的に需要が弱含む見通しのため、日本からの輸出が金融危機以前の水 準に戻るには時間がかかると予想している。

中国についても、中国政府は経済成長の腰を折らずに景気の過熱 を抑えるという課題を抱え、マクロ政策を通じた調整を実施している として、日本から中国への生産財、ⅠT関連製品、輸送製品の輸出は すでに減速しているとしている。

さらにS&Pは、円高の進行が特に韓国製品に対する価格競争力 の足かせとなっていると指摘し、日本の輸出の伸びが10年2月の前年 同月比45%増から同6月には28%増に低下しているとしている。

その一方で国内需要についても「有望とはいえない」とし、製造 業の設備稼働率指数が10年3月には約90と09年2月の62.7から大 きく回復したが、さらに上昇する可能性は限られるとの見方を示した。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE