日本株反発、円高一服と割安で輸出や資源買い-米警戒なお

日本株相場は反発。前日の大幅安で 投資指標、テクニカル指標から見た割安感が広がる中、為替の円高一服 を受け、景気への影響を過度に悲観する動きが和らいだ。電機や精密機 器など輸出関連、ガラス・土石製品など素材、鉱業など資源株が上昇。 低金利の持続がコスト低減につながる不動産株も高い。

ただ、きょうから週末にかけての米国市場では製造業、雇用に関す る重要経済統計の発表が相次ぐため、動向を見極めたいとして本格的な 買いは入りにくかった。日経平均株価の終値は前日比102円96銭 (1.2%)高の8927円2銭。TOPIXは同6.73ポイント(0.8%)高 の811.40。東証1部33業種はパルプ・紙、水産・農林を除く31業種 が上昇。

独アリアンツの資産運用部門であるRCMジャパンの寺尾和之最高 投資責任者は、「米景気がどこまで減速するのか不透明。PCや液晶な ど在庫調整の動きも出てきており、収益下方修正が警戒される」と指摘 した。株価純資産倍率(PBR)1倍割れ銘柄が増えるなど、「バリエ ーションは確かに低いが、政府・日本銀行は政策に消極的であるため、 きっかけがない」と話していた。

午前の取引は前日終値を挟んでもみ合う展開だったが、為替の円高 修正の動きが強まると、午後は反発基調が鮮明になり、プラス圏で推移 した。日本株の取引時間中は一時1ドル=84円50銭台、1ユーロ= 107円40銭台まで円が売られた。前日の東京株式市場の終了時点は同 84円15銭、同106円38銭。

こうした動きを受け、TOPIXの上昇寄与度上位には電気機器、 機械などが入った。長期金利が1%割れとなるなど、低金利によるコス ト低減期待から不動産株や倉庫・運輸、建設も堅調。素材関連では鉄鋼 のほか、金相場の上昇を受け非鉄金属の上げも目立った。

8月月間で7.5%安、買い戻し主体

日経平均は8月月間で713円安、率で7.5%下げ、割安感に着目し た買いも入りやすかったようだ。日興コーディアル証券によると、東証 1部の前日時点のPBR1倍以下の銘柄数は全体の68%に達する。ま た、配当利回り2.1%に対し、10年国債利回りは1%割り込む低水準、 さらに月次の日経平均のサイコロジカルラインも25%と、過去最低水 準にあった。

ブルームバーグ・データで8月の業種別指数の下落率ランキングを 見ると、1位が海運(11%)、2位電気機器(10%)、3位ガラス・土 石(10%)、4位精密(9.9%)、5位鉱業(9.8%)、6位機械 (8.8%)など。きょうはこれらの業種が上げており、月替わりととも に売られ過ぎの修正が起きた格好だ。

コスモ証券投資情報部の清水三津雄副部長は、「株価が解散価値を 下回っている銘柄が多くなっており、さすがにここから売り込むのは難 しい」と指摘。最終的に株価はファンダメンタルズに戻ってくるものだ が、「きっかけのインパクトに欠けている」とも言う。

株価指数の上値は限定的で、前日の下げ幅(325円)を埋める勢い はなかった。前日の日経平均の日中高値(9008円)は、この日の高値 (8932円)から70円超上方だ。東証1部の売買代金は1兆1839億円 と、前日までの1年間の平均1兆3528億円を12%下回る。

野村証券投資情報部の品田民治課長は、「売り方が主体のマーケッ トであり、下がれば買い戻しが入るだけ。資金と時間に余裕のある投資 家は慌てて買う理由はなく、様子見」としていた。

個別では、三菱UFJモルガン・スタンレー証券が8月31日付で 「新たな成長ステージに入る」などとし、投資判断を新規に「強いアウ トパフォーム」に設定したジーエス・ユアサ コーポレーションが急反 発。月額課金会員数が増えて第1四半期の連結純利益が前年同期比5% 増になったザッパラス、三菱Uモルガン証が投資判断を引き上げた東洋 エンジニアリングが買われた。

半面、2009年11月-10年7月の単独営業利益は前年同期比17% 増となったものの、クレディ・スイス証券では5-7月営業利益が同証 予想を下回り、ネガティブな印象と指摘したくらコーポレーションが大 幅安。みずほ証券が11年にかけてNAND需給緩和を織り込む展開を 予想し、投資判断を引き下げた東芝が売買を伴って続落。米国時間1日 に発表される8月の米自動車販売台数を警戒し、トヨタ自動車は連日で 年初来安値を更新。

新興3市場はまちまち。ジャスダック指数は前日比0.5%安の

48.06、大証ヘラクレス指数は同0.3%安の557.99。東証マザーズ指数 は同1.2%高の368.07。個別では、GSユアサの大幅高を受け、同じリ チウムイオン電池関連である田中化学研究所が反発。バークレイズ・キ ャピタル証券が目標株価を引き上げたサイバーエージェントが続伸。半 面、楽天やクックパッドなどネット関連株の一角が下げた。