米SEC:ムーディーズ追及へ、金融改革法を活用-海外CDO格付け

【記者:Joshua Gallu】

9月1日(ブルームバーグ):米証券取引委員会(SEC)は、 新たに成立した金融規制改革法(ドッド・フランク法)を生かし、 米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスの海外部門 に端を発した不正を追及していく方針を明らかにした。SECは、 権限があいまいであることを理由に同件の追及を中止していた。

SECが8月31日発表した報告によれば、欧州に拠点を置く ムーディーズの格付け委員会は2007年、約10億ドル(約844億 円)相当の債券について、高過ぎる格付けを引き下げることを拒ん だ。格付け委員会は、ムーディーズの評判を損なうことを懸念し、 欠陥のある格付けモデルに起因する誤りの修正を拒否したという。

SECは報告で、「問題の格付け行為が、管轄権という点で米 国に属するかどうかが不明確」であるため調査を中断したと説明。 7月に成立したドッド・フランク法は、米国内に多大な影響を及ぼ す不正行為に関して訴えを起こすSECの権限を明確に規定して いるため、そのような不透明さがなくなると指摘した。

SECによれば、ムーディーズは06年に債務担保証券(CD O)の一種であるCPDO(定率債務証券)の格付けモデルを開発 し、欧州で販売された11のCPDOに最上級格付けを付与した。 同社のニューヨーク在勤アナリストの1人がその後、モデルの欠陥 によって合計約10億ドル相当のCPDOに高過ぎる格付けが付与 されたことを発見。しかし格付け委員会は07年4月、会社の評判 への影響や同社の格付けに依存した投資家に損失を与える恐れな ど「不適切な要素」への配慮に基づいて格下げしないことを決めた という。