米国債:上昇、FOMC議事録で-月間でも大幅高

米国債相場は上昇。10年債は 月間ベースでは2008年末以降で最大の上げとなった。米連邦準備 制度理事会(FRB)がこの日公表した連邦公開市場委員会(FO MC、8月10日開催)の議事録で、一部メンバーが成長とインフ レの見通しについて「下振れリスクの高まり」を指摘したと記され たことが手掛かり。

2年債利回りは過去最低まで4ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)以内に迫った。今週発表される8月の雇用統計では、 3カ月連続での雇用減が見込まれているほか、製造業活動の減速も 予想されている。この日発表された8月の消費者信頼感指数が市場 予想を上回る伸びとなったことで、米国債は一時上げ幅を縮める場 面もあった。

モルガン・スタンレー・スミス・バーニーの債券ストラテジス ト、ケビン・フラガナン氏(ニューヨーク在勤)は「FRBは緩和 モードに戻った」と指摘。「FRBは景気動向を軽視していたわけ ではなく、景気の軟化を認めたのだ」と付け加えた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク 時間午後4時4分現在、10年債利回りは5bp低下の2.48%。 同年債価格(表面利率2.625%、2020年8月償還)は15/32上 げて、101 9/32。

10年債利回りは8月に43bp低下と、月間ベースでは08年 12月以降で最大の下げ。金融当局が政策金利を0-0.25%に引き 下げた同月には71bp低下していた。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチのデータによ ると、米国債の8月のリターン(投資収益率)は30日現在で

1.7%と、月間ベースとしては5カ月連続でのプラスとなった。こ れは、信用市場の損失が膨らみ経済がリセッション(景気後退)に 向かっていた08年3月までの連続高以来で最長。

FOMC議事録

今月のリターンは、2年債が0.16%で10年債は3.4%。30 年債は6.9%と、08年12月以降で最大となった。

この日公表されたFOMCの議事録によると、一部メンバーは、 証券保有額を一定水準に維持する決定について、FRBに大規模な 資産購入を再開する用意があるとの誤ったシグナルを送ることにな るとの懸念を示した。

また数人のメンバーは、この決定による経済効果について「か なり小さなものにとどまりそうだ」と指摘。同時に、一部メンバー は「成長とインフレ見通しの双方で下振れリスクが高まっている」 とし、さらなる打撃を受けた場合、「成長を著しく減速させること になる」との懸念を表明した。

2年債利回りは前日比2bp低下の0.48%、月間ベースでは 7bpの低下。24日には過去最低となる0.4542%を付けた。

ブルームバーグ・ニュースのエコノミスト調査によれば、米供 給管理協会(ISM)が1日に発表する8月の製造業景況指数は

52.8と、前月(55.5)からの低下が見込まれている。

雇用統計見通し

別の調査によると、3日に発表される8月の米雇用統計では非 農業部門雇用者数は10万人減少が見込まれている。7月は13万 1000人の減少だった

モルガン・キーガンの債券セールス・トレーディング・調査責 任者、ケビン・ギディス氏は顧客向けリポートで、「われわれはあ らためて雇用の厳しい現実を目の当たりにする可能性が高く、これ により、追加刺激策の必要性に再び注目が集まるはずだ」と指摘。 「景気の先行指標は、さらなる軟化のシグナルを送っているように 見受けられる」と加えた。

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