閣僚からは強気コメントも手詰まり感強い-政府・日銀の連携演出後

円高・株安による景気の腰折れを 回避するため、政府・日銀は歩調を合わせて経済対策や金融対策を打 ち出したが、市場の反応は鈍く、31日も円高と株続落という負の連鎖 が止まらない。関係閣僚からは「いずれ効果は出る」と強気のコメン トが相次いだが、政府・日銀の連携演出の効果は1日ともたなかった ようだ。

「もう少し様子を見たい」-。荒井聡国家戦略兼経済財政担当相 は31日の閣議後会見で、円高・株安が進行している足元の市場の動き だけで効果を判断するのは「早い」とし、引き続き注視してほしいと 訴えた。荒井経財相は30日の会見で、為替・株価の動向や雇用情勢な どをみて対策が不十分と判断した場合には、第2弾を検討する考えを 示していた。

日本銀行は30日の臨時金融政策決定会合で、新型オペ(公開市場 操作)による資金供給額を20兆円から30兆円に引き上げるとともに、 うち10兆円の資金供給期間を6カ月に延長することを決定。政府も同 日、当初予定から1日前倒しして、企業の設備投資促進策や住宅・家 電エコポイント制度の延長を柱とした経済対策の基本方針を決定し、 市場に連携姿勢をアピールした。

財務相発言も効き目薄い

野田佳彦財務相は政府・日銀による対応策公表後も収まらない円 高に「足元の為替の動きは一方向に偏っている」と指摘。「必要な時 には断固たる措置を取る」とあらためて介入も辞さない構えを強調。 しかし、米欧の景気減速を背景に進行した円高への為替介入の可能性 は低いとの観測から、「口先介入」の効果も効き目が薄くなっている。

八方塞がり(ふさがり)の当局の手の内を見透かしたように、31 日の日経平均株価の終値は8824円6銭と年初来安値を更新。さらに、 根強い米欧の景気先行き不透明感から円は主要16通貨に対して全面 高となり、対ドルでは1ドル=84円台前半まで買われた。9月3日に 発表される米雇用統計の結果次第では、ドル安・円高がさらに加速し かねないとの見方もある。

みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは31日付 のリポートで、臨時会合を開催しての日銀の追加緩和決定や、菅直人 首相と白川方明日銀総裁の会談、政府による経済対策の基本方針の前 倒し決定で体裁を整えたが、「円高の主因は大きなバブルが崩壊した後 遺症に苦しむ米国側にある」とし、日本の当局ができることには自ず と限りがあるとの見方を示している。

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