ゴールドマン証がM&A増加を予想、円高などで条件整う

ゴールドマン・サックス証券は30 日付の投資家向けリポートで、日本企業にかかわるM&A(買収・合 併)の増加を一段と促す条件が整いつつある、と指摘。企業のキャッ シュ残高増加、為替市場での円高進行による日本企業の購買力向上、 株価純資産倍率(PBR)の歴史的水準への低下などが、M&Aを促 進するとの見方を示した。

ゴールドマン証のチーフ日本株ストラテジストであるキャシー・ 松井氏は、M&Aは2005年以降停滞しているが、今後は外国企業によ る日本企業のM&A、日本企業による海外企業のM&Aがともに加速 すると予想する。

その原動力となるのは、日本企業のキャッシュ残高の増加とキャ ッシュフロー水準向上、円高による日本企業の購買力の大幅向上、株 式持ち合い解消の進展による浮動株比率の上昇、過去最低水準まで落 ち込んでいる日本株のPBRなど。こうした中で同証では、「高内部収 益率(IRR)銘柄バスケット」「潜在的買収企業のリスト」「上場子 会社のスクリーニング」など3つの投資戦略の存在に言及している。

高IRR(内部収益率)銘柄バスケットの構成銘柄にはエルピー ダメモリ、ルネサスエレクトロニクス、川崎汽船、東京製鉄、NTT 都市開発などが入る。潜在的買収企業にはトヨタ自動車、ホンダ、デ ンソー、信越化学工業など。上場子会社ではオリエンタル酵母工業、 タカラバイオ、クラリオン、FDK、ソネットエンタテインメントな どの銘柄名を挙げた。

中国企業の買収規模は6倍に

一方、ゴールドマン証によると、日本企業のクロスボーダーM& A(外国企業による日本企業M&A、日本企業による海外企業M&A) で、アジア関連の取引が増加傾向にあり、全体に占める割合は過去10 年間で4%から20%に拡大。特に、中国企業は日本企業のブランド、 技術、販路の獲得に積極的になっており、ことし4-6月期の中国企 業による日本企業の買収規模は1億2000万ドルを突破、前年同期の6 倍に増加したという。

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