ソロス氏予言のバブルか、金投資スイス保有の倍に膨らむ-1500ドルも

投資家が保有する金の量が、スイ スの金保有量の約2倍に達している。金相場を最も正確に予想してき たアナリストらは、少なくとも過去90年で最長となっている金の上昇 局面が、景気動向にかかわらず、今後も続くと考えている。

ブルームバーグが集計したデータによると、アナリストらは過去 2カ月間に2011年の金相場見通しを他のどの貴金属よりも大幅に引 き上げ、年間ベースで10年連続の上昇になると見込んでいる。また、 ニューヨーク市場の金先物オプション取引は、12月までに1オンス= 1500ドルに上昇するとの見通しを示唆している。これは、6月21日 に付けた過去最高値の1266.50ドルを18%上回る水準だ。金を裏付け とするETP(上場取引型金融商品)を通じて保有される金の量は約 2072トンと、過去最高水準から0.3%以内のところにある。

ドイツのコメルツ銀行のアナリスト、オイゲン・ワインベルク氏 は「景気が素早く回復しようとさらに低迷が続こうと、新たな買い手 が市場に参入するはずだ」と指摘。「景気が堅調になれば宝飾品需要が 拡大する。景気が弱いままか、悪化すれば、投資家らは安全な投資先 を求めるだろう」と述べた。1-3月(第1四半期)の相場予想が最 も正確だった同氏は、金相場が来年は1400ドルに上昇するとみている。

通常、金融市場がストレスを受ける局面で選好される資産に対す る需要を反映し、ETPを通じた投資家の金保有量は3週連続で増加 した。24日には米2年債利回りが過去最低の0.4542%に低下。円の対 ドル相場は15年ぶりの高値に達した。米パシフィック・インベストメ ント・マネジメント(PIMCO)やドイツ銀行、米シティグループ は、相場急落に対する防御手段となるファンドや金融商品を提供して いる。

スイス金準備の倍

ブルームバーグが調査対象としているETP10本を通じて、買い 手は今年、金保有量を274トン積み上げた。今年の平均価格で計算す ると103億ドル(約8700億円)に相当する。産金業界団体ワールド・ ゴールド・カウンシル(WGC)が集計したデータによると、投資家 の総保有量は、スイスの金準備1040トンのほぼ倍の規模に膨らんでい る。ブルームバーグのデータによると、ETPの金保有量の合計は7 月19日時点で過去最高の2078トンに達した。

最も大口の買い手の1つはソロス・ファンド・マネジメントだ。 同社の管理・運用資産総額は約250億ドル。ファンドを運営する資産 家ジョージ・ソロス氏は1月にスイスのダボスで開かれた世界経済フ ォーラム年次総会(ダボス会議)で、金を「究極の資産バブル」と表 現し、バブルの初期に購入するのは「理にかなっている」と説明した。

米証券取引委員会(SEC)への届け出によると、ソロス・ファ ンドは金を裏付けとするETPとしては最大の「SPDRゴールド・ トラスト」の株式34万1250株を4-6月(第2四半期)に売却した。 その後も524万株を保有しており、これは金約16トンに相当する。ソ ロス氏は広報担当者を通じて、持ち高の変動に関するコメントを控え ると語った。

金相場の見通し

ブルームバーグがアナリストやトレーダー、投資家29人を対象に 実施した調査の中央値によると、金相場は来年1500ドルと、ロンドン 時間30日午後5時半(日本時間31日午前1時半)現在の1237ドルか ら21%上昇するとみられている。今年これまでの相場予測が最も正確 なドイツ銀のダン・ブレブナー氏(ロンドン在勤)は、金相場が1550 ドルに達する可能性があると予想している。

金相場は1月以降13%上昇し、米国債のリターン(投資収益率)

7.9%を上回っている。一方、先進国株の指標であるMSCI世界指数 は7.2%、商品24銘柄で構成するS&P GSCIトータルリターン 指数は9.4%それぞれ低下している。

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