TIBORが低下、日銀が追加金融緩和で促す-政策効果で焦点に

全国銀行協会が公表した31日のT IBOR(東京銀行間貸し手レート)は1カ月物から1年物まで軒並 み低下した。日本銀行が前日の追加金融緩和で低下を促しているとの 見方が強まった。短期金利の中で唯一低下余地が残り、政策効果が表 れやすいことが焦点になっている。

ユーロ円TIBOR3カ月物は前日比0.00384%低い0.36308%へ 1週間ぶりに低下し、2006年7月5日以来の水準になった。国内銀行 3行と外国銀行1行が提示金利を引き下げた。この日は6カ月物や1 年物の低下幅も大きかった。

日銀は金融緩和強化の声明文の中で、6カ月物の新型オペ導入に よる資金供給の拡大により「市場金利の低下を促し」と記述した。昨 年12月の新型オペ導入時と今年3月のオペ拡大時の声明では「やや長 めの金利の低下を促す」となっており、表現が変更された。

国内大手銀行の資金担当者は、日銀は意図がなければ声明の文言 は変えないと指摘。長めの金利は中長期物も含めてすでに低下してい る中で、日銀の守備範囲である短期金利で唯一下がり得るTIBOR を暗示している可能性が高いとみる。

日銀は30日の臨時金融政策決定会合で、3カ月物の資金を政策金 利0.1%で20兆円供給している新型オペに6カ月物の同オペ10兆円 を追加し、総額を30兆円に拡大した。

もっとも、短期金融市場では国庫短期証券(TB)の3カ月物 から1年物の利回りは0.105-0.11%と、翌日物の誘導目標0.1%とほ とんど変わらない水準まで平たん化。中長期の国債利回りもすでに低 下しており、これ以上の効果は見込みづらい。

セントラル短資の金武審祐執行役員は「まだ効果が見込めるのは TIBORの低下による貸出金利の引き下げだ」という。円高抑制も 含めて、追加緩和の実質的な効果は乏しいとの声が多い中で、企業に 対する銀行貸し出しの基準金利にもなっているTIBORの低下を日 銀が促しているとの見方が強まった。

この日の市場では、日銀の意図をくみ取ってTIBORの提示金 利を2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)から4bpと大幅に引き 下げる銀行があったほか、TIBORを予想するユーロ円3カ月 金利先物相場も上昇(金利は低下)した。

日銀は6カ月物の新型オペを毎月1、2回(各8000億円)のペー スで実施し、半年程度かけて目標の10兆円まで積み上げる見通し。セ ントラル短資の金武氏は、「当座預金残高は確実に膨らむ」と予想して おり、短期市場では量的緩和の効果が徐々に浸透していくとみられて いる。

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