NY外為:円上昇、日銀決定に失望-円高反転に不十分

ニューヨーク外国為替市場では 円が主要16通貨すべてに対して上昇した。日本銀行が決定した追 加緩和策では、約15年ぶり高値水準にある円を押し下げるには不 十分との観測が背景。

円は月間ベースで対ドル4カ月連続上昇。菅直人首相は、9200 億円の今年度予算余剰金を活用する追加的経済対策の基本方針を 決定した。また日銀は資金供給額の10兆円増額を決めた。ドルと スイス・フランは主要通貨の大半に対して上昇。米国株の下落で安 全性が高いとされる資産の需要が高まった。

ウェルズ・ファーゴの為替ストラテジスト、ヴァシーリ・セレ ブリアコフ氏(ニューヨーク在勤)は、「円上昇を反転させるため、 日本当局に今できることはほとんどないという認識が広がりつつ ある」と述べ、「安全逃避先としてみなされる通貨に買いが入って いる」と続けた。

ニューヨーク時間午後4時18分現在、円は対ドルで前週末比

0.8%高の1ドル=84円52銭(前週末は85円22銭)。月間ベー スでは2.3%高で8月を終える勢い。

円は対ユーロで1.6%高の1ユーロ=107円4銭。前週末は 108円72銭だった。ドルは対ユーロで0.8%上昇して1ユーロ=

1.2664ドル(前週末1.2763ドル)。

スイス・フランは対ユーロで1%高の1ユーロ=1.2996フラ ンと、8月25日に記録した最高値の1.2972フランに迫った。フ ランは月間ベースでは主要16通貨のうち15通貨に対して上昇す るもよう。

PCE

米商務省が発表した7月の個人消費支出(PCE)は前月比で

0.4%増、個人所得は0.2%増加した。

米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は先週、連 邦公開市場委員会(FOMC)が景気回復の継続を確実にするため、 「あらゆる可能な手段を講じる」と表明した。

商務省の27日の発表によると、第2四半期(4-6月)の米 実質国内総生産(GDP)改定値は前期比年率で1.6%増、速報値 から下方修正された。

日銀の決定

日銀は30日の臨時会合で、0.1%で長めの資金を供給する新 型オペを20兆円から30兆円に引き上げた。

日銀は今月9-10日の会合で政策金利を0.1%で据え置き、 追加緩和策も決定しなかったことから、日銀への圧力が強まってい た。今月24日には1ドル=83円60銭と、1995年以来の高値を 付けた。

ブルームバーグがまとめた通貨データによると、先進諸国通貨 のうち円は年初から16%上昇と、最大の値上がりを記録している。 ユーロは9.4%下落、ドルは3.9%高となっている。

日本銀行の白川方明総裁は「前回の会合以降、米経済について 弱めの指標が相次いだ。そうした中で円高、株安も生じた。こうし た動きを見ると経済・物価の先行きのリスクについてより注意する 必要があると判断した」と指摘した。

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