米国債:反発、統計控え安全志向-雇用減と製造業減速警戒

米国債相場は急反発。先週の下 げを埋めた。今週発表される8月の米雇用統計では、3カ月連続での 雇用減が見込まれているほか、製造業活動の減速も予想されている。

2年債利回りは27日、過去最低付近から上昇していた。バーナ ンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言を受け、金融当局が 国債買いを加速させるとの観測が後退したのが背景。

ロイヤル・バンク・オブ・カナダの米国債トレーディング責任者、 トーマス・トゥッチ氏は、「雇用統計を控え、市場は守りの姿勢に入 っている」と指摘。「これはショートカバー(買い戻し)の動きだ」 と付け加えた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時7分現在、10年債利回りは前週末比12ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)低下の2.53%。同年債価格(表面利率

2.625%、2020年8月償還)は1 1/32上げて100 26/32。

10年債利回りは先週、週間ベースで3bp上昇。週間での上げ は7月以来となる。25日には1年7カ月ぶり低水準となる2.4158% を付ける場面もあった。2年債利回りは先週6bp上昇と、4月以降 で最大の上げとなった。24日には0.4542%と過去最低を付けた。

「買いの好機」

プライマリーディーラー18社の一角である野村ホールディング スの金利戦略責任者、ジョージ・ゴンキャルべス氏は、「金曜日(27 日)の急落は、買いの好機ととらえられている」と指摘した。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの指数によると、 8月の米国債のリターン(投資収益率)は1.2%。このままいけば5 カ月連続でのプラスとなり、信用市場の損失が膨らみ経済がリセッシ ョン(景気後退)に向かっていた08年3月までの連続高以来、最長 となる。

ブルームバーグ・ニュースが実施したエコノミスト調査によれば、 8月の米雇用統計では非農業部門雇用者数は10万人減少が見込まれ ている。7月は13万1000人の減少だった。また8月の失業率は

9.6%と、前月の9.5%からの上昇が予想されている。労働省は3日 に雇用統計を発表する。

ISM製造業景況指数

また別の調査によると、米供給管理協会(ISM)が1日に発表 する8月の製造業景況指数は52.8と、前月からの低下が見込まれて いる。

日本銀行は、30日開いた臨時の金融政策決定会合で、新型オペ (公開市場操作)による資金供給額を20兆円から30兆円に引き上 げるとともに、うち10兆円の資金供給期間を6カ月にすることを決 定したと発表した。これも手掛かりに米国債は買い進まれた。

日銀は声明で「米国経済を中心に先行きをめぐる不確実性がこれ まで以上に高まっており、為替相場や株価は不安定な動きを続けてい る」と指摘。今回の措置について「経済・物価見通しの下振れリスク により注意していくことが必要と判断した」としている。

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