政府:エコポイント延長を盛り込む-経済対策の基本方針決定

政府は30日夕、官邸で経済関係閣 僚委員会を開催し、景気の下振れリスクが強まっていることを踏まえ、 企業の設備投資促進策や住宅・家電エコポイント制度の延長などを盛 り込んだ追加経済対策の基本方針をまとめた。菅直人首相は同方針に 基づき、9月10日に対策を閣議決定するよう荒井聡経済財政担当相に 具体的な取りまとめを指示した。

政府が当初予定した31日の基本方針決定を前倒しした背景には、 日銀が同日、臨時の金融政策決定会合を開き、追加金融緩和を決めた ことと歩調を合わせる狙いがある。基本方針は、円高や海外経済の下 振れリスクと「新成長戦略」の前倒しという2つの視点からデフレ脱 却の基盤づくりとして①雇用②投資③消費④地域の防災対策⑤規制・ 制度改革-の5つの柱を挙げている。

追加経済対策の財源には、「経済危機対応・地域活性化予備費」の 約9200億円を活用し、新卒者の雇用促進策などに充てる一方、先行き の経済情勢などを注視して「必要な場合には補正予算の編成を含め機 動的・弾力的に対応する」ことも明記した。

菅首相は閣僚委の席上、「きょう、政府と日銀が歩調を合わせて、 経済対策と金融政策を決定して発表した」と述べ、「今後の展開はしっ かりとこの2つの決定を踏まえてどういう風な効果が出てくるのか注 視をしていきたいと思っている」と述べた。

不十分なら第2弾の対策検討

一方、荒井経財政相は会見で、今回の対策をまとめた背景として 「円高に端を発する株安、その株安が経済全体を縮小する恐れ、さら にそれがデフレを進行させているという恐れ」があることを指摘。「 これで効果が不十分であることが判明した場合には、第2弾の対策を 考える」と述べ、その際に目安となる材料は「株価や円高、雇用状況」 であることを挙げた。

基本方針では、為替相場について「過度の変動は経済・金融の安 定に影響及ぼす」と指摘し、引き続き為替相場の動向を注視し、「必 要な時には断固たる措置をとる」ことも明記した。

景気押し上げ効果は期待できず

明治安田生命保険の小玉祐一チーフエコノミストは、 追加対策の 効果について「直接的な景気押し上げ効果という点も含めて、ほとん ど期待できない」と指摘。予備費を活用することで2011年度予算編成 が「厳しくなり、中期財政フレームの実現性に不透明感が生じる。リ スクの先送りになるため、むしろマイナスも影響もある」との懸念を 示した。

荒井経財相は会見で「今回のデフレ傾向の中での円高、株安で最 も影響を受けているのは雇用だ」と述べ、若年層や新卒者の就業に関 して手厚い対応をしていく姿勢を示した。また、円高の進行や長期化 で企業による本社機能などの海外移転で「空洞化」が懸念される中、 基本方針では10月から11月をめどに「日本国内投資促進プログラム」 をまとめ、国内投資の再強化に向けた取り組みを推進するとしている。

基本方針ではさらに、政府が6月に閣議決定した新成長戦略の推 進するため、首相を議長とした「新成長戦略実現推進会議(仮称)」 を設置することも盛り込んだ。関係大臣のほか、経済界、労働界、民 間有識者などが参加する。荒井経財相は、日銀の白川方明総裁にも「出 席するようお願いする」と指摘。会議の開催時期については「できる だけ速やかに行う」と述べ、「定期的に開催する」意向を示した。

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