今日の国内市況:株3連騰、債券続落、円は下落後反発-日銀追加緩和

日本株相場は3日続伸。日本銀行 がきょう臨時の金融政策決定会合を開催、追加の金融緩和策を見込んで 午前の為替市場で円高修正が進んだ。米国景気に対する過度の悲観が和 らいだ影響もあり、電機など輸出関連株中心に上昇。ただ、午後に発表 された追加緩和策の内容は市場の想定通りで、午後の株価指数はじりじ りと上げ幅を縮小した。

日経平均株価の終値は前週末比158円20銭(1.8%)高の9149 円26銭。TOPIXは同9.59ポイント(1.2%)高の829.21。

円安方向に動いた為替相場と日銀政策への期待で、午前の取引で日 経平均は一時289円高まで上昇。しかし、午後は一転伸び悩んだ。日 銀はきょう昼すぎ、この日開催した臨時の金融政策決定会合で、新型オ ペ(公開市場操作)による資金供給額を20兆円から30兆円に引き上 げるとともに、うち10兆円の資金供給期間を6カ月にすることを決定。 政策金利は0.1%、長期国債買い入れ額は月1兆8000億円にそれぞれ 据え置いた。

午前のドル・円相場は一時1ドル=85円91銭と、前週末27日の 円高値である同84円28銭から1円以上円安で推移していたが、追加 緩和策が発表されると、円が買い戻され、午後は同85円前半で推移。 また、午前に1ユーロ=109円56銭までユーロ高方向に振れたユー ロ・円も、午後に同108円台半ばまで円が買い戻された。電機や輸送 用機器、化学、機械など輸出株は午前終値に対し上げ幅を縮小した。

もっとも、前週末に発表された4-6月の米GDPの改定値は速報 値から下方修正されたが市場予想は上回り、米景気に対する過度の悲観 論が後退、相場を支える要因になった。また、バーナンキ米連邦準備制 度理事会(FRB)議長は27日、景気回復の継続を確実にするため、 「あらゆる可能な手段を講じる」と表明した。同日の米10年債利回り は一時7.5%高と、09年6月以来で最大の上昇率を記録した。

東証1部の値上がり銘柄数(1409)は、値下がり(151)を大きく 上回った。売買代金は1兆698億円と、週初月曜日の取引としては4 週間ぶりに1兆円の大台乗せ。

債券は続落

債券相場は続落。米国の株高、債券安を受けた持ち高調整売りが先 行して、長期金利は一時1カ月半ぶりに1.1%台まで上振れた。一方、 日本銀行の金融緩和策発表後に株高やドル高・円安が一服すると、債券 先物や中期債は買い優勢となった。

現物市場で新発10年物の309回債利回りは、前週末比4ベーシス ポイント(bp)高い1.035%で開始。直後に売りが膨らむと一時は

1.105%まで急騰して、7月15日以来の高い水準を記録した。その後 はじりじりと上昇幅を縮めており、午後3時15分現在では3bp高の

1.025%で取引されている。

27日の米国市場が株高、債券安となったことを受け、午前には日 経平均株価が3%強も続伸する一方、国内債市場は売り優勢の展開が続 いた。

また、民主党の小沢一郎前幹事長が26日に代表選出馬を表明した ため、市場では2009年の衆院選マニフェスト(政権公約)に盛り込ん だ政策実行が意識されている。財政規律維持に対する懸念が超長期ゾー ンで売り材料視され、20年物の120回債利回りは開始直後に14bp高 の1.835%を付け、新発20年債として7月半ば以来の高い水準を記録。 30年物の32回債は午後に20.5bp高の1.82%まで上振れた。

一方、日銀が午後に金融緩和策を発表すると、先物市場や短中期ゾ ーンを中心に買いが優勢となった。

5年物の90回債利回りは午前の取引で0.31%まで上昇して、新 発5年債として11日以来の高い水準を付けたが、午後3時前には

0.5bp低下の0.28%まで買われている。

東京先物市場の中心限月9月物は前週末比15銭安い142円40銭 で始まり、開始後まもなくには7月29日以来の安値圏となる141円 60銭まで急落した。しかし、その後は日中を通してじりじりと下げ幅 を縮小させており、結局は10銭安の142円45銭で終了した。

この日の日銀の金融緩和では円高阻止に不十分とみられていること が、午後に先物買いが膨らむ一因となったもよう。米国で今週に発表さ れる供給管理協会(ISM)製造業景況指数や雇用統計ではあらためて 景気減速が示される見通しのため、市場では円高が再燃するリスクも意 識されている。

白川方明日銀総裁は30日午後の記者会見で、臨時の金融政策決定 会合で追加緩和に踏み切ったことについて、「下振れリスクにより注意 する必要があると判断した結果、前倒し的に緩和を行った」と述べた。 先行きについては、日銀の「標準シナリオそれ自体を幾分下方修正する 可能性も否定できない」と指摘、情勢の変化によって「必要と判断され る場合は適時適切に対応を行っていく」と述べた。

円が午後に反発

東京外国為替市場では、午後の取引で円が反発。対ドルでは一時1 ドル=84円91銭と、前週末のニューヨーク時間午後遅くに付けた85 円22銭から水準を切り上げた。日本銀行の臨時金融政策決定会合や白 川方明総裁の会見を通過し、市場の想定範囲内の結果にとどまったこと から、朝方の円売りの動きが調整される格好となった。

この日の東京市場では、朝方に日銀が午前9時に臨時会合を開くと の発表を受けて、円売りが先行。ドル・円相場は一時85円91銭と、 19日以来の円安値を付けていた。円は対ユーロでも一時1ユーロ= 109円56銭と、20日以来の安値を付けていた。

しかし、正午すぎに臨時会合での決定内容が伝わると、円はじりじ りと値を戻し、白川総裁の会見後は対ドルで84円91銭、対ユーロで は108円16銭まで一段高となった。

一方、米国では米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長 が27日にワイオミング州ジャクソンホールで開かれたカンザスシティ ー連銀主催の年次シンポジウムで、「連邦公開市場委員会(FOMC) は、必要と判断されれば、非伝統的手段を通じて追加の金融緩和策を講 じる用意がある。景気見通しが著しく悪化した場合には特にそうだ」と 言明。景気回復の継続を確実にするため、「あらゆる可能な手段を講じ る」姿勢を示した。

バーナンキ議長の発言内容を受けて、27日の米株式市場では買い 安心感が広がり、ダウ工業株30種平均は大幅反発。株価の予想変動率 の指標であるシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ 指数(VIX指数)は17日以来の水準まで低下しており、投資家がリ スク資産向け投資を敬遠する姿勢が緩和する可能性が示されている。

さらに、27日に発表された4-6月期の米国内総生産(GDP) 改定値は前期比1.6%増と、速報値の2.4%増から下方修正されたもの の、ブルームバーグ・ニュースがまとめた市場予想の1.4%増は上回っ ており、米国市場でリスク回避姿勢の緩和につながった面もあったよう だ。

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